2010-01-01から1年間の記事一覧

死にもの狂い

まず最初に。今回の記事は、私の思い込みを基にしています。関係者の方々の目に触れるとも思えませんが、失礼の段はご容赦を。もう何年も前。歌手の郷ひろみが、世界的にヒットした海外の曲をカバーしました。知名度のある曲と歌手の組み合わせ。関係者の誰…

Dynamite!!

大晦日の恒例、Dynamite!!に出場したいとアピールする選手が多くいます。例年に無い光景です。いつの間に、Dynamite!!がそれほどのブランドになったのだろうといぶかしんでいましたが、そうではないと気付きました。逆です。他に“場”が無いのです。テレビ向…

『青春は屍を越えて』

大藪春彦の『青春は屍を超えて』は、ここ数年、私にとって課題図書と呼ぶべき作品でした。というのも、「硬派の宿命・野望篇」の泰山氏の旧ブログのコメント欄にお邪魔して、色々と有意義なお話をうかがう中で、大藪春彦を話題にした時、「当然、読まれてい…

突然変異

「海保のビデオ、私は公開しない方が良いと思います。というのも、中国が自国の中で、自分たちは被害者で日本が悪いという世論を強固にすればするほど、いざ、日本がビデオを国際司法裁判所や、他の国際機関に提出した時、面目丸潰れでダメージが大きくなり…

僕はキミの兄じゃない

観る者に不思議な感情移入をさせるプロレスラー、柴田勝頼。柴田よ。キミを応援するファンは、弟を見守る兄のような視線を注いではいないだろうか。温かく見守り、キミが勝てば「よくやった」と頭を撫で、キミが負ければ「よく頑張った」と肩を抱いてくれる…

訴える力

ヘビー級の派手なKO劇。四の五の言って、結局はそこに落ち着くのでしょうか?かつて、PRIDEで判定決着が頻発した時期がありました。その結果、膠着という言葉が忌み嫌われ、それを誘発する行為という曖昧なものにイエローカードが出されるようになりました。…

格闘技“イベント”

この記事は、カテゴリーを[想う]に分類しましたが、[格闘技]を念頭に置いて書いたものでした。http://d.hatena.ne.jp/ocelot2009/20100925/1285422212昨日のK-1MAX。盛り上がらないイベントに価値はありません。

『死刑台のエレベーター』

「綿密に練り上げた完全犯罪を実行したジュリアンは、その直後に思わぬことから無人のビルのエレベーターに閉じ込められてしまう。36時間後にようやく外に出た彼を待ち受けていたのは、思いもかけない、まるで身におぼえのない殺人容疑だった。エレベーター…

察してくれ

今回の、尖閣沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像がインターネット上に流出した問題で、中国政府が、日本政府と同じか、それ以上に頭を痛めているであることは容易に想像がつきます。自縄自縛。その苦悩が、正式コメントの短い強弁に滲んでいます。中国政府首…

制空権

月の球のイメージで思い出すのが、K-1でのアーネスト・ホーストvsフランシスコ・フィリオの初対決の試合です。キックボクサーとは異なる、後屈立ちのフィリオ。相手の攻撃を迎え撃っての一撃を狙います。(おそらく)初めて空手家と向かい合ったホーストは、…

月の輪

密教には「月輪(がちりん)観」という瞑想法があります。それは、胸の中に月の球をイメージし、それをまず上半身を包むくらい、次に体全体、道場一杯、家、町、日本、世界全体というように大きくしていき、最後は宇宙が球の中に入っているというところまで…

船戸与一は、ハードボイルドを「ハードボイルド小説とは帝国主義がその本性を隠蔽しえない状況下で生まれた小説形式である。したがって、その作品は作者の思想が右であれ、左であれ、帝国主義のある断面を不可避的に描いてしまう。優れたハードボイルド小説…

プロレスに物申す

新日本プロレスに所属するプロレスラー、真壁刀義が頚椎損傷のために休場し、復帰時期も未定とのことです。闘う二人の選手の協力作業のもとに、互いに危険な技を掛け合う現在のプロレス。そこに闘いの緊張感はなく、あるのは刹那的な刺激だけ。より危険な技…

撃て

今日、彼女の笑顔に、笑顔を返すことができなかった。(母方の)祖母が生前に私を評して曰く、「あのコを導けるだけの器を持った大人が周囲にいないことが、あのコの不幸だ」。無意識のうちに、本を読むことで、それを補おうとしていたのなら、実際の行動に…

親心

アイドルグループAKB48の、固定ファンの財布から巧妙に大枚を吐き出させるやり方を“宗教のようだ”と評する記事を目にしたことがあります。私自身はAKB48に興味が無く、彼女らのためにお金を使ったことが無いので、“大人”が自分の意志で散財する分には構わな…

もう一度、お願いします

映画『フラッシュダンス』は、素朴なプロットで、わかりやすいアメリカンドリームを描いています。しかし……。物語のクライマックス。オーディションの場面。ヒロインは、踊り始めてすぐにミスをしてしまいます。気まずい雰囲気の中、回り続けるレコード。流…

最強論

UFC121で、ブロック・レスナーが敗れました。少し前にエメリヤーエンコ・ヒョードルがやはり敗れ、思うところを書きましたが、今回は特に感慨はありません。負けたなら、また這い上がれば良い。それだけのことです。

納豆大好き

私が納豆を意識的に食べるようになったのは、ボクシングジムに通い始めたのがきっかけでした。身体に良くて、美味しくて、飽きがこない。何より、開けて混ぜるだけという手軽さ。私が普段食べているのはスーパーで売られている三個一パックのものですので、…

月に叫ぶ

ロラン・セアックが月に叫んで幕を開け、ソシエ・ハイムが月夜に泣き叫んで幕を閉じた『∀ガンダム』。映画『2001年宇宙の旅』のモノリスが人類の進化の節目に存在したように、月もまた、そこにあり、地球上の人間の営みを見続けてきました。古の人々が見上げ…

祝着至極

「彼(シャア)は個人的な感情を吐き出すことが、事態を突破する上で、一番重要なことではないのかと感じたのだ。」『機動戦士Ζガンダム』で、クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)は、カミーユ・ビダンにこう言います。そういえば、『ゼータ』のコンセ…

何も意味しない言葉

ボクシングではまったく耳にしない、けれども、DREAMやK-1でよく耳にする言葉があります。“当て勘”私には、「当て勘が良い」という言い回しが何を意味するのか、さっぱりわかりません。何となくわかったようなことを言っているように感じさせつつ、実体を伴…

ボクシングは出入り

BOX

ボクシングにおいて、自分の拳が相手に当たる距離は、即ち、相手の拳が自分に当たる距離です。その射程距離の外から、素早く内側に入り込み、パンチをヒットさせた次の瞬間には、再び外側に退きます。曰く、ヒット&アウェイ。その動きを可能にするのは、下…

魂のリトマス試験紙

「ある朝、目を覚ました時、これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまったのだ。」これは、沢木耕太郎の『深夜特急』の書き出しの一文です。これを読んで、あなたの心はざわめきますか?深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版…

汚れた正義

隆慶一郎は幕末・維新についてほとんど書いていません。その理由について、『かぶいて候』に収録されている対談で、次のように語っています。「維新というのはわからないですねえ。あまりに利害が錯綜していて。僕にはよく判らないんですよ。(中略)やって…

着火

私には、“無性に青春ものが読みたくなる発作”があります。と同時に、もう一つ別の発作があります。“無性に大藪春彦が読みたくなる発作”です。ちなみに、それは豊浦志朗の著書でも代替可能です。特に『硬派と宿命』の序文は劇薬です。省みるに、私がそれらを…

恥じる

最も身近な、大切なヒトが涙を流していることに気付かなかった私に、想像すらしなかった私に、何かを語る資格があるのか、という問いすら虚しい。発した言葉は、自らの心に突き刺さります。「いっぱしの意見を言った気になるな」「ニュートラルな想像力が大…

願い事一つだけ

もしも願い一つだけ、叶うなら……。私の寿命の、残りのうち三十年をお返しします。私よりも生きるに値する人たちに分け与えてください。それでも足りないなら、この命、差し上げます。

『ベルリン・コンスピラシー』

ホロコーストの生き残りで、戦後間もない時期、その復讐のための部隊に参加した過去を持つ老人、ルドルフ・ブレイヴァマン。彼はホテルの部屋で、激しいノックの音で目覚めます。ドアの向こうから聞こえてくるのはドイツ語。窓の外には、二度と足を踏み入れ…

「自分さえ良ければ」病

リーマンショックと、その後の混乱。その時何があったのかを知りたくて読んだのが、以前記事に書いた小幡績の『すべての経済はバブルに通じる』と、神谷秀樹の『強欲資本主義 ウォール街の自爆』でした。http://d.hatena.ne.jp/ocelot2009/20100131/12649086…

意地悪

NHKの記者が、大相撲の野球賭博問題の捜査情報を当事者に漏らしたとして問題視されています。将来的には捜査妨害という展開もあるかもしれませんが、現時点では、ジャーナリズムにおける倫理の問題として扱われています。その賭博問題で、自浄能力という“倫…