キミ金2

お金の話をするのは、はしたない。でも、切実なものであるのもまた、お金。

そのお金についての正しい知識、考え方を持たずに書店の棚に溢れている経済の本(その多くは裕福になるための指南本)を読んでも、誰かが得れば誰かが失うゼロサムゲームにおいて、それらは「カモ来いホイホイ」、カモになるだけです。

例えば生産性。この言葉を自信を持って胸を張って説明することが出来ますか? その生産性を上げるためには消費という下支えが必要不可欠だとしたら、ただ無駄を排して効率を良くするというだけでは駄目です。

本書では、国の経済を語るに際して、一般家庭の家計に置き換えることと、国民一人当たりの借金として扱うことの無意味さが説明されます。

その類の解説や報道がまかり通るのは、わかりやすければ、それで理解した気分になれるからです。

それは思考の放棄。それを著者は戒めます。勉強すること、それによって(自分なりの)意見を持つことの大切を説きます。

著者が指摘する経済における最大の敵「不確実性」を相手にしては、誰もが間違う可能性があります。その事実を受け入れ、正すべきは正す。それを繰り返す。

何も難しいことではありません。一人で苦しみながらすることでもありません。ジンサンと月(ゆえ)さんと、もう一人バオバオくん。この三人と楽しく勉強できる、読みやすくてわかりやすい漫画です。

大事なことなので、もう一度。面白い漫画です。