2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

死者の代弁者

アメリカミステリー界の大御所、マイクル・コナリー。彼の創造した孤高の刑事、ハリー・ボッシュはフィリップ・マーロウの系譜に連なる騎士です。ボッシュはその波乱万丈な刑事人生の紆余曲折を経て、最近の作品で、刑事としての自身を“もの言わぬ死者の代弁…

『レディ・ジョーカー』読み始め

高村薫の『レディ・ジョーカー』(文庫版)を読み始めました。ただ今、沈潜中。

タイムマシン

一瞬にして“あの頃”に戻れる曲。懐古趣味ではなく、自分が通ってきた道、時間を再確認するため。過去を否定して現在はなく、未来は拓けない。

今日一日を

同級生が亡くなったという連絡がありました。詳しい状況はわかりませんが、どうやら事故のようです。彼はその瞬間、自分が死ぬことを認識したのでしょうか? 老衰や病気であれば、死に向かう歩みを自覚して、それに向き合うこともできます。年齢を問わず、“…

習うより慣れろ

BOX

もう、自分の才能の無さに絶望するほど初心(うぶ)ではありません。数をこなすだけ。ただし、自分なりのテーマを持って。「失敗したことを思い悩む必要は無い。失敗したこと自体は忘れて良い。何故失敗したのか。その原因をきちんと認識して次に活かせば、…

劇薬を三錠

「向“無性に青春ものが読みたくなる発作”薬」として読んだ三作品。『ボックス!』ボックス! 上作者: 百田尚樹出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2010/03/18メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 34回この商品を含むブログ (23件) を見る 『武士道シックスティ…

等身大で堂々と

現在、人口に膾炙している“格闘家”という言葉よりも、当時の前田日明を指す“プロレスラー”という言葉の方が、色気と確かな手触りがあります。メジャースポーツになり得ないプロレスと、曲がりなりにも真剣勝負を謳っている総合格闘技の逆転現象。“格闘家:前…

雑感:青木VSメレンデス

“勝負に勝って試合に負けた”という言葉を聞かなくなりました。負けない闘いに終始した青木真也。日本格闘技界の誇りや期待を背負って闘っているなどと考えていたのなら、笑止千万。自惚れも良いところです。自分が闘う姿を見るためにお金を払う人がいる。多…

追悼

エドウィン・バレロと闘った男たち。彼ら、敗者のために祈ります。バレロの魂よ、安らかなれ。

這い上がった男

“忘れられたスターほど、忘れられた存在はない”という言葉があります。そこから蘇った男、ジョン・トラボルタ。バレロよ。天国のバレロよ。この男の強さを見ろ。順序は違えど、妻を道連れにした自分の卑怯な振る舞いを恥じろ。残された家族を悲しみのどん底…

荒涼とした心象風景

ボクシングのWBC元ライト級チャンピオンのエドウィン・バレロが、妻を殺害した容疑で逮捕されました。状況や本人の自白から、彼の犯行であることはほぼ間違いないようです。漫画『はじめの一歩』で、鷹村は初めての世界タイトルマッチに臨むにあたって、鴨川…

格好良いとはこういうことさ

ギリシャの昔から、悲劇と喜劇は人の世の表裏。※“埋め込みがリクエストにより無効”となっていますが、画面の黒い部分をクリックしていただくと、別ウィンドウが開き、通常のYouTubeの画面にてご覧いただけます。

If you build it,he will come.

「父さん……、キャッチボールしないか?」映画とは違い、僕はボールを投げたけれど、それは返っては来なかった。※“埋め込みがリクエストにより無効”となっていますが、画面の黒い部分をクリックしていただくと、別ウィンドウが開き、通常のYouTubeの画面にて…

楽しくはないけれど

私が時折り政治向きの記事を書くのは夢枕獏の影響です。夢枕獏はその著書に必ずあとがきを書きます。それは何故か? 大略次のような文章を目にしたことがあります。ある作家が「自分は戦時中に口をつぐんだ」と書いていた。僕(夢枕獏)は、その時自分が何を…

予想してみた

民主党の体たらく、及びマイナス要素はすべて鳩山由紀夫個人の資質に還元して、クビ。

独りと一人

大藪春彦の『野獣死すべし』で、伊達邦彦は、眠っている親友の真田に銃弾を撃ち込みます。しかし、邦彦は真田との友情と、ともに過ごした時間を否定するようなことはしません。

亀田問題に思う

フィリピン出身のプロボクサー、マニー・パッキャオ。彼に向けられる尊敬の眼差しは、ボクシングの持つ“見る者の心に訴える力”の具現化です。ボクシングはそれだけの“もの”を持った競技なのです。それに泥を塗った亀田史郎。今回の“永久追放”という結末は、…

礼儀

「礼儀は心得ているつもりだ」by破嵐万丈恥ずかしながら、時折り心の中で呟く台詞。※相変わらず、誤字を訂正しました。

叫ぶ

“魂”という字は“鬼が云う”と書きます。人の中にある、人間ならざるもの、即ち鬼が声を発する場所。その魂に響いたモノを、人の言葉で表現することなど、不遜です。言葉は不自由です。あの感動をどのように表現したら良いのでしょうか。あの指揮振りを、歌声…

舞台は整った

五味隆典がUFCで惨敗し、ストライクフォースに参戦する青木真也への期待が日増しに高まっています。これまで、ことあるごとに日本の格闘技のレベルの高さ、自身が参戦しているDREAMの素晴らしさを喧伝し、アメリカには負けないと息巻いてきた青木真也。私は…

来世で会おう

映画『ミッドナイト・ラン』は、元刑事の賞金稼ぎとマフィアの金をくすねた会計士の、ロードムービーにして奇妙なバディムービーです。FBIに追われ、別の賞金稼ぎに追われ、マフィアに追われ、ニューヨークからロサンゼルスへの、アメリカ大陸横断の逃避行。…

生きろ

「何かを変えられるまで、きみは生きろ」

あなたは誰だ?

一連の新党ごっこの中で、自身を坂本竜馬になぞらえた人がいます。政治家が、司馬遼太郎の小説の影響もあって英雄扱いされている歴史上の人物のイメージを借りなければ自分を語れないとは。貧困。それも主張すべき自己の貧困。坂本竜馬の名前を出せば批判も…

新党ごっこ

以前にも書きましたが、自民党は派閥という、実質的に小さな政党の集合体です。彼らが自民党という名前のもとに結束していたのは“与党でいること”という共通の利益があったからです。その共通の利益、前提条件が崩れた以上、徒党を組んでいる理由がありませ…

理念は後回し

業界団体と結びつき、数を振りかざす巨大与党と、それに太刀打ちできない野党の群れ。昭和の政治風景と何ら変わらない構図。移籍が繰り返され、選手が着るユニフォームが変わっただけです。ひと頃叫ばれていた「二大政党制」という言葉がまったく聞かれなく…

吉田秀彦雑感

吉田秀彦が引退します。丁寧に表現すれば、総合格闘技、最近ではMMAと呼ばれる闘いをするリングから身を退くということです。しかし、「何から引退するのか」と問うた時、私は答えることができません。吉田秀彦は柔道の強さを表現するべく、PRIDEのリングに…