2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

修行中

「自分が答えになるしかない」(byアンドリュー・ヴァクス)という言葉には落とし穴があります。少しでも自分に甘くなると、「こうするより仕方がなかった」という言い訳に、「自分は間違っていない」という自己弁護にすり替わるのです。まだまだ修行中です。

『武士道エイティーン』

誉田哲也の『武士道エイティーン』は、思春期の心の揺れを描きながら、その読後感は爽やかです。それは、描かれる少女たちが、誰一人として“できない言い訳”を探していないからです。大切なヒトがいます。しかし、そのヒトのために何かをしてあげようなどと…

『ルパン三世』を語る3

テレビの優良コンテンツになるということは、より幅広く受け入れられるということであり、それは『ルパン三世』が、その魅力であった毒と牙を失う過程でもあります。それが良かったのか悪かったのか。私は「禍福はあざなえる縄の如し」「人間万事塞翁が馬」…

『ルパン三世』を語る2

「時代が追いついた」と評された『ルパン三世』は、セカンドシリーズが製作され、「わかりやすさ」を前面に出した作風で人気を博し、キャラクターの個性も浸透しました。その中で作られた、宮崎駿監督の映画『ルパン三世 カリオストロの城』。それは、『ルパ…

『ルパン三世』を語る1

『ルパン三世』は、アニメ作品のヒットによって優良コンテンツになりました。しかし……、モンキー・パンチ曰く、「『ルパン三世』を世に出してすでに二十年以上になる。当時は紙に印刷という媒体で、そのアソビの面白さを読者と一緒に楽しみたいと思ったのが…

恐怖と美しさの源

恐怖にも色々ありますが、その大きな要素の一つは“理解不能であること”です。映画『羊たちの沈黙』で、ジョディ・フォスター演じるクラリス・スターリングの美しさを引き出したのは、レクター博士です。そのレクター博士はサイコパス、狂気の人です。謎は、…

新訳はリメイクか

映画『羊たちの沈黙』は、サイコサスペンスでありながら、どこか優雅さを漂わせます。それは、野暮ったい田舎娘だった、ジョディ・フォスター演じるクラリス・スターリングが、レクターと出会い、邂逅を重ねることで、洗練された知的な美しい女性に成長する…

演歌と艶歌

「大衆は、小さな嘘より大きな嘘にだまされやすい。なぜなら、彼らは小さな嘘は自分でもつくが、大きな嘘は怖くてつけないからだ」「嘘は大きいほど良い」とは、ヒトラーの言葉です。それを、「虚構は、それが大きいほど信じられやすい」と言い換えてみまし…

作られた因縁

1996年のこと。ボクシングの世界タイトル戦、勇利アルバチャコフVS渡久地隆人(ピューマ渡久地)が行われました。その数年前に、立場が逆、渡久地が保持する日本タイトルに勇利が挑戦する試合が組まれていながら、渡久地のトラブルで流れたということがあり…

帝国主義

国連安保理のシリア批判決議案に中国とロシアが拒否権を行使しました。その理由としての「内政干渉」という言葉から窺い知れるのは、「自国で同様の騒ぎが起きたとき、自分たちはシリア当局と同じ対応を取る。そして、他国から文句を言わせない」という決意…

追いかける

打海文三が亡くなって、私の中の読書地図に大きな穴ができました。唯一無二の作家だったとの思いは強くなる一方です。その穴を埋めてくれる可能性を持った作家が現れました。月村了衛。『機龍警察』と『機龍警察 自爆条項』の二冊しか読んでいませんが、文庫…

慇懃無礼

ここ数年、(主に外来で)患者を「○○様」と呼ぶ病院が増え、「病院といえど企業」や「医療の場に適さない」といった意見を耳にします。民主党が政権を担うようになってから、インタビューを受ける国会議員が言葉を発するとき、有権者を「国民の皆様」と呼ん…

就職活動を「就活(シューカツ)」と略して言うようになったとき、若者たちが、利益を求める企業の標的になったことに、どれだけの人が気付いているでしょうか。企業は知恵を絞って商品を作ります。正確には、企業は商品を作っているのではありません。「正…

鼓舞

今以て、通勤時やボクシングジムの行き帰りのクルマの中で心が受け付けるのは、わずかな例外を除いてNHK-AMとircleだけです。「甘ったれんなよ、びびってんなよ」日々のあれこれの中で、何度、このフレーズを思い出したか。そして、泰山氏の描く、この女性の…

位置について

更新を再開します。よろしくお願いします。「On Your Mark」