2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

親心

アイドルグループAKB48の、固定ファンの財布から巧妙に大枚を吐き出させるやり方を“宗教のようだ”と評する記事を目にしたことがあります。私自身はAKB48に興味が無く、彼女らのためにお金を使ったことが無いので、“大人”が自分の意志で散財する分には構わな…

もう一度、お願いします

映画『フラッシュダンス』は、素朴なプロットで、わかりやすいアメリカンドリームを描いています。しかし……。物語のクライマックス。オーディションの場面。ヒロインは、踊り始めてすぐにミスをしてしまいます。気まずい雰囲気の中、回り続けるレコード。流…

最強論

UFC121で、ブロック・レスナーが敗れました。少し前にエメリヤーエンコ・ヒョードルがやはり敗れ、思うところを書きましたが、今回は特に感慨はありません。負けたなら、また這い上がれば良い。それだけのことです。

納豆大好き

私が納豆を意識的に食べるようになったのは、ボクシングジムに通い始めたのがきっかけでした。身体に良くて、美味しくて、飽きがこない。何より、開けて混ぜるだけという手軽さ。私が普段食べているのはスーパーで売られている三個一パックのものですので、…

月に叫ぶ

ロラン・セアックが月に叫んで幕を開け、ソシエ・ハイムが月夜に泣き叫んで幕を閉じた『∀ガンダム』。映画『2001年宇宙の旅』のモノリスが人類の進化の節目に存在したように、月もまた、そこにあり、地球上の人間の営みを見続けてきました。古の人々が見上げ…

祝着至極

「彼(シャア)は個人的な感情を吐き出すことが、事態を突破する上で、一番重要なことではないのかと感じたのだ。」『機動戦士Ζガンダム』で、クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)は、カミーユ・ビダンにこう言います。そういえば、『ゼータ』のコンセ…

何も意味しない言葉

ボクシングではまったく耳にしない、けれども、DREAMやK-1でよく耳にする言葉があります。“当て勘”私には、「当て勘が良い」という言い回しが何を意味するのか、さっぱりわかりません。何となくわかったようなことを言っているように感じさせつつ、実体を伴…

ボクシングは出入り

BOX

ボクシングにおいて、自分の拳が相手に当たる距離は、即ち、相手の拳が自分に当たる距離です。その射程距離の外から、素早く内側に入り込み、パンチをヒットさせた次の瞬間には、再び外側に退きます。曰く、ヒット&アウェイ。その動きを可能にするのは、下…

魂のリトマス試験紙

「ある朝、目を覚ました時、これはもうぐずぐずしてはいられない、と思ってしまったのだ。」これは、沢木耕太郎の『深夜特急』の書き出しの一文です。これを読んで、あなたの心はざわめきますか?深夜特急〈1〉香港・マカオ (新潮文庫)作者: 沢木耕太郎出版…

汚れた正義

隆慶一郎は幕末・維新についてほとんど書いていません。その理由について、『かぶいて候』に収録されている対談で、次のように語っています。「維新というのはわからないですねえ。あまりに利害が錯綜していて。僕にはよく判らないんですよ。(中略)やって…

着火

私には、“無性に青春ものが読みたくなる発作”があります。と同時に、もう一つ別の発作があります。“無性に大藪春彦が読みたくなる発作”です。ちなみに、それは豊浦志朗の著書でも代替可能です。特に『硬派と宿命』の序文は劇薬です。省みるに、私がそれらを…

恥じる

最も身近な、大切なヒトが涙を流していることに気付かなかった私に、想像すらしなかった私に、何かを語る資格があるのか、という問いすら虚しい。発した言葉は、自らの心に突き刺さります。「いっぱしの意見を言った気になるな」「ニュートラルな想像力が大…

願い事一つだけ

もしも願い一つだけ、叶うなら……。私の寿命の、残りのうち三十年をお返しします。私よりも生きるに値する人たちに分け与えてください。それでも足りないなら、この命、差し上げます。

『ベルリン・コンスピラシー』

ホロコーストの生き残りで、戦後間もない時期、その復讐のための部隊に参加した過去を持つ老人、ルドルフ・ブレイヴァマン。彼はホテルの部屋で、激しいノックの音で目覚めます。ドアの向こうから聞こえてくるのはドイツ語。窓の外には、二度と足を踏み入れ…

「自分さえ良ければ」病

リーマンショックと、その後の混乱。その時何があったのかを知りたくて読んだのが、以前記事に書いた小幡績の『すべての経済はバブルに通じる』と、神谷秀樹の『強欲資本主義 ウォール街の自爆』でした。http://d.hatena.ne.jp/ocelot2009/20100131/12649086…

意地悪

NHKの記者が、大相撲の野球賭博問題の捜査情報を当事者に漏らしたとして問題視されています。将来的には捜査妨害という展開もあるかもしれませんが、現時点では、ジャーナリズムにおける倫理の問題として扱われています。その賭博問題で、自浄能力という“倫…

実際にやるということ

荒俣宏の『帝都物語』は、東京壊滅を目論む魔人、加藤保憲の暗躍を描いた作品です。その物語に、三島由紀夫が登場します。作中の三島由紀夫は、「祖国防衛隊」という私兵を要した組織を作り、加藤保憲と対峙します。加藤はその時代時代で立場を変え、その時…

期待と気持ち

今日、通っているボクシングジムで、中学生と挨拶がてらに少し話をしました。中学生「K-1は好きですか?」私「K-1、良いよね」中学生「ボク、マイティ・モーのファンなんです」私「格闘技界全体のためにも、やっぱりK-1が盛り上がらないとね。テレビ中継もし…

立ち止まる

この曲のイメージは、枯葉舞う晩秋です。それなのに、この時期に記事にする堪え性の無さ。お恥ずかしい。この曲のタイトルには、「ちょっと五分くらい休もう」という意味が込められていると、何かで読んだ記憶があります。曲の長さも約五分です。正解を求め…

テレビCM

まだ『これからの「正義」の話をしよう』を引きずりますが、哲学を含むあらゆる学問は、実社会にフィードバックされて、初めて価値があります。同様に、どんな素晴らしい料理を作っても、食べてくれる人がいなくては、そこに価値はありません。格闘技もまた…

アプローチショット

『これからの「正義」の話をしよう』の著者、ハーバード大学教授のマイケル・サンデル氏は、今回の日本滞在の中で、何か新しい刺激を得たのでしょうか? 儒教や老荘思想、仏教。その中でも特に“禅”に触れる機会があったなら、氏の論の幅が広がるのではないか…

『これからの「正義」の話をしよう』

<目次>「第1章:正しいことをする」幸福、自由、美徳/パープルハート勲章にふさわしい戦傷とは?/企業救済への怒り/正義への三つのアプローチ/暴走する路面電車/アフガニスタンのヤギ飼い/道徳のジレンマ「第2章:最大幸福原理―功利主義」ジェレミー・ベン…

虚無と浪漫

芥川龍之介は、“唯ぼんやりした不安”という言葉を遺して、自ら命を絶ちました。生来の厭世観に加えて、健康の悪化があっての結果と云われています。「絶望から人はむやみと死ぬものではない」と、やはり自ら命を絶った三島由紀夫は書いています。これは青年…