汚れた正義
隆慶一郎は幕末・維新についてほとんど書いていません。その理由について、『かぶいて候』に収録されている対談で、次のように語っています。
「維新というのはわからないですねえ。あまりに利害が錯綜していて。僕にはよく判らないんですよ。(中略)やってる当人は純粋なのかもしれないが、結局はどこかの利害に踊らされているところがあるでしょう。そこが嫌なんです。」
中国のデモに関する報道を見聞きして、この言葉を思い出しました。
集団に埋没しなければ声も出せないのなら、黙って手を動かしている方が良い。
ここでもまた思い出します。大藪春彦が描くワンマンアーミーの気高さよ。
- 作者: 隆慶一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1993/12/01
- メディア: 文庫
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (8件) を見る