2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

一冊

ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧〔新版〕』を読みました。夜と霧 新版作者: ヴィクトール・E・フランクル,池田香代子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2002/11/06メディア: 単行本購入: 48人 クリック: 398回この商品を含むブログ (372件) を見る

究極の自問自答

もしも戦争が起きたとき……。「現実に敵が攻めてきている今の状況で、理屈は役に立たない。国のためにとは言わない。家族を守るために戦え」こう言われたら、私はどう答えるべきなのでしょうか。

軽薄の行き着く先

今回の都知事選ほど軽薄な選挙は知りません。この程度の選挙しか持てないのだとしたら、日本の戦後民主主義は敗北したのです。しかし、それを嗤うことはできません。直近の事実は基準になります。そうして坂をゆっくりと転げ落ちた先に何が待っているのか。…

耳を傾ける

現在、ヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』(新版)を読んでいます。少しずつ、噛み締めるように読み進めながら、心のバランスを取ることを意識しています。その一助となっているのが、“世界で最も貧しい大統領”のスピーチです。

『南冥の雫』

『南冥の雫』では、満州国は存在感がありません。描かれる舞台は東南アジアで、ある種の空白地帯の様相を呈しています。その存在感の無さ、影響力の無さは、満州国が砂上の楼閣であるということを物語っているように思えます。どのような気高い理想も、それ…

教養小説

船戸与一の“満州国演義”シリーズは、小説らしくない小説です。通常、作品の中で起きた出来事は、物語の進行上、何かしら意味があります。こういうことがあって、その結果としてこういうことが起きたといった具合に。このシリーズには、その段取りがありませ…

硬派の宿命

船戸与一の“満州国演義”シリーズの第八巻『南冥の雫』には、とても怖い言葉が引用されています。「王よりも王派」権力者の関心を買おうとした者たちが、その権力者よりも過激な態度を取ることを指しています。これが歪であることは論を俟ちません。しかも、…

秘めてこそ

「タフでなければ生きていけない。優しくなれなければ生きている資格がない」とは、レイモンド・チャンドラーの『プレイバック』でのフィリップ・マーロウのセリフです。それに対して「優しさが強さだと言ったとき、ハードボイルドは死んだ」と書いたのが船…

『里山資本主義』

一方では「多様性が大切、自分らしい個性を持て」と煽るのに、他方では物事をたった一つの尺度で測ろうとする矛盾、二枚舌。経済を論じるとき、最も多く使われる言葉、“GDP”。それが豊かさの指標でもなく、経済力の絶対値でもないと言われて首を傾げた方にぜ…

勉強しよう

1月4日の読売新聞(朝刊)で、菅義偉官房長官と橋本五郎編集委員の対談が掲載されています。互いに秋田県出身であることを確認することから始まり、和気藹々とした雰囲気。「立場は異にしているが、俺たちは仲間」という感じです。ジャーナリストと政治家が…

『第三の銃弾』

アメリカの人々にとっての1963年11月22日は、日本人にとっての1945年8月15日に等しいものなのかもしれません。“その日”として……。日本が先の戦争を総括していないという考えがありますが、ウォーレン委員会の公式な結論があっても、いまだにJFK暗殺事件を位…