2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

責任の取り方

かつて、テレビの刑事ドラマは若者の成長物語でした。彼らは未熟さゆえに失敗し、壁にぶつかり、事態を混乱させてしまいます。そして、自信を失い、警察手帳と手錠、拳銃を上司に差し出します。「責任を取って辞めます」と言って。上司は、「そうやって、す…

二人の戦い方

『機動戦士Ζガンダム』の最後、カミーユ・ビダンはパプティマス・シロッコを糾弾します。「戦争を遊びにしている」と。そして、身体ごとぶつかっていったカミーユは、シロッコを倒したものの、心が壊れてしまいます。時を経て、『∀ガンダム』での物語後半。…

古本

二年前の春に家の中の不要なものを大量に処分し、そこには文芸雑誌も多く含まれていましたが、ハードカバーの文芸書や文庫は残していました。当人の了解のもと、本当に必要なものだけを残し、不要な本をごっそりとチェーンの古書店に持って行きました。その…

わたしも

森絵都の『気分上々』は、九つの物語から成る短編集です。登場人物たちの七転八倒する姿が、そのすべてが愛おしい。未熟なのでもなく、愚かなのでもなく、それが人生さ。最後のページを閉じて、わたしも“気分上々”です。気分上々 (角川文庫)作者: 森絵都出版…

謝罪の言葉

「誤解を招く表現があったことをお詫びします」どこをどう読んだら、これが謝罪の言葉になるのでしょうか。裏を返せば、「言ったことは間違っていない。言い方が悪かっただけ」ということです。わたしは、これが謝罪の言葉として通用するのが不思議でなりま…

提案します

小説家の曽野綾子の、人種差別と受け取られても仕方のない発言については、呆れ返るを通り越して、その愚かさに薄ら寒さを感じています。さて、彼女はカトリックです。骨のあるジャーナリストには、この件に関して、ぜひバチカンに取材していただきたい。

嵐のなか

わたしはいま、キミという嵐のなかにいる。でも、ここが世界の中心だとは思えない。

ただでは起きない

BOX

仕事の忙しさ、風邪、おまけに生まれて初めてのインフルエンザで、昨年末からボクシングジムに通う回数が激減してしまいました。そして、しばらくぶりの練習。少々スタミナは落ちていましたが、それなりに動くことができ、積み重ねたものが身についていると…

仲良きことは

いつも一緒にいて、何でも話せるのが親友ではありません。氷室冴子の小説『海がきこえる』に、こんな一節があります。「(同じクラスになることもなかったけれど)ぼくの中で、松野豊がいる場所はいつも、ほかの連中とはちょっと違っていた。」映画『スタン…

ごっこ遊び

涙を浮かべながら「罪を償わせる」なんて、なんと情緒的な対応でしょうか。「オレも各国の首脳と同じ舞台に立っている」というヒロイックな気分が溢れんばかりです。しょせんは、お坊ちゃんの政治ごっこでしかありません。不本意な形で命を奪われた二人に哀…