2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

小説の匠

マイクル・コナリーの『証言拒否 リンカーン弁護士』を読みました。その物語の素晴らしさ、完成度の高さをあらためて説くのも野暮。読めばわかるさ。この作品のなかで、ハラーは自分がどのような人間でありたいかを自覚します。元妻と娘が誇りに思えるような…

紳士

レイモンド・チャンドラーの『プレイバック』のセリフ。「If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.」言葉やニュアンスを変えて、たくさんの人が語っていますが、アナタなら、どう訳しますか…

ウソの話

池田清彦の『この世はウソでできている』は、ある政治家が「要は金目の話でしょう」と言ったように、世に溢れる言説が利権と企業の営利活動と結びついているという身も蓋もない話が目白押しの本です。規制や法律が税金を動かし、そこに利権が生まれます。最…

保守とは

言葉の意味や使われ方が時代とともに違うのは、いまに始まったことではありません。古文の授業で思い知らされ、悩まされます。従来の意味とは違う使われ方を、国語力の低下と嘆く人もいれば、時代とともに移り変わるものと寛容に受け止める人もいます。しか…

悲鳴

日々起きる、幼い子供が犠牲になる虐待事件、老々介護の果ての(女性だけが亡くなる未遂も含めた)心中事件。その他、家族が殺し殺される事件。わたしには、それらが、この日本という国を形作る社会の悲鳴に聞こえます。