小説の匠
マイクル・コナリーの『証言拒否 リンカーン弁護士』を読みました。
その物語の素晴らしさ、完成度の高さをあらためて説くのも野暮。読めばわかるさ。
この作品のなかで、ハラーは自分がどのような人間でありたいかを自覚します。元妻と娘が誇りに思えるような元夫、父親でありたい。
依頼人は嘘をつく。このテーゼは、ハラーの弁護の土台です。この作品でも、依頼人が実際に犯行を行ったかということに重きを置きません。技術を駆使もすれば、罠も仕掛ける。そうして得る勝利の苦み。
このハラーの捩じれが、起伏に富んだ二転三転する展開を、さらに陰影のあるものにします。
感想なんて書けません。面白かった。それだけです。
- 作者: マイクル・コナリー,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/13
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
- 作者: マイクル・コナリー,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/13
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (5件) を見る