2013-01-01から1年間の記事一覧

戦う相手は誰ですか

サイボーグ戦士たちが戦ったのは、世界制服を企む悪の組織ではありません。

ここにも一人

自分で思っているほど、他人は私(あるいはアナタ)を高く買ってはいません。そこを読み違えると足元をすくわれます。上は自分に一目置いていると過信し、下は権勢を誇る自分に媚びるだけと見下していた男が、自分が使い捨ての道具の一つに過ぎないことを思…

初めてのダンス

音楽は偉大なり!

救済

一冊の本が私の中の霧を、晴らしてくれるとは云わないまでも、薄くしてくれる。いえ、より正確に表現するなら、「霧があることを怖れなくて良いのだ」と教えてくれる。そういう読書もあります。言葉にすることに無力感を覚えたり、倦んだりしてはいけません…

ただ嬉しい

日々目の当たりにする深い愛情と喜びの前には、男女の痴れ事など色褪せる。

道程

高村薫の『作家的時評集2008-2013』を読んでいます。新聞に掲載された時事的な評論をまとめたものです。それを時系列に沿って読むというのは、「そう、こういうことがあって、積み重なって今の世の中になっているんだ」と、まるで現状に至る道程をあらためて…

犠牲

人は、自分一人で完結して生きていくことはできません。身の回りにあるもので、自分で作り上げ、手にしたものなど皆無です。口にするもの、身につけるもの、すべて他人の手によるものばかりです。逆に、自分の労働が見知らぬ他人に具体的なモノや利便性を提…

続:誰か

人が作ったものなら、必ずいます。特定秘密保護法の“言いだしっぺ”は誰か。それも“特定秘密”ですか?

誰か

特定秘密保護法について、言論や報道の自由を損なうという批判を多く見聞きします。それが大切であることは論を俟ちませんが、その手前で立ち止まってみるのも一興です。刑事ドラマでは、ストーリー展開の起伏として、中盤で捜査が行き詰まります。そして、…

冷え込む朝

人の短をいふ事なかれ己が長をとく事なかれ。物言えば唇寒し秋の空。松尾芭蕉

覚えていよう

目に焼き付ける。脳に記憶させる。そして、心に刻み付ける。

良い夢を

良く眠れ、悪い夢を。

真実

真実はどこかにあるのでしょうか。

正義

正義に優劣はあるのでしょうか。

尊厳

人が人ではないもの、“人でなし”にならなければ生き残れないなら……。

立派な人たち

もしかしたら、私たちが知らない(知らされていない)だけで、権力を握る人たちは、他国の国家機密を知り、外交上の戦略があって「特定秘密保護法案」の成立を急いでいるのかもしれません。この国の将来のために、今は批判されるかもしれないが、後の世で、…

下地処理

勧善懲悪の時代劇が戦後の“空気”を作ったと云ったら、うがち過ぎでしょうか。庶民は権力を握った悪人に虐げられるもの。そして、慈悲深い正義の味方として、さらに上位の権力者が現れ、救ってくれるもの。その大いなるマンネリズムが毎週のように、毎日のよ…

子供扱い

「子供が大人のやることに疑いを持つのは良くない」映画『機動戦士ガンダムF91』での、父親である鉄仮面(カロッゾ・ロナ)の、自分に歯向かう娘のセシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)に対する台詞です。特定秘密保護法案とは、こういうことなのでしょ…

神か人か

プロボクシングの話。山中慎介の左ストレートを“神の左”と呼ぶことに抵抗を感じます。「神は細部に宿る」なら、修練の積み重ねの結果としてのフィニッシュブローに神性が宿ることもあるかもしれません。それでも、私は、それを“人の拳”と捉えたい。“山中慎介…

合いの手

愛が溢れているね、愛が。西加奈子の『円卓』は、作者が、自分が生み出した登場人物たちが大好きで愛おしくて仕方がない様子が行間から伝わってくる、読んで幸せな気持ちになれる作品です。三人称多視点で語られる物語ですが、所謂“神の視点”と云われる俯瞰…

覚悟の物語

上橋菜穂子の『獣の奏者 外伝 刹那』は本編で描かれなかった物語を収めた短編集です。本編の中に配することなく、その完結後に外伝として一冊にまとめたことで、作品の奥行きが増し、読む者の胸に深い余韻を残します。この物語の登場人物たちは、人生の岐路…

褒めて伸ばす

BOX

前回、スパーリングをしたのは夏風邪で一か月以上休んだ後。あらゆる場面で力んでしまい、無様な姿を晒してしまいました。そして、今日(この記事を書いている時点で日付が変わっていますので、正確には昨日)、またまたスパーリング。体力も戻り、普段の練…

稚拙

山本太郎参議院議員の一連の言動は稚拙極まりなく、今後に何ら期待を抱かせるものではありません。自分の行動に対する反発や批判は想定されたはずです。それに対して如何に反論するかまで準備しての行動でなければ、ただのスタンドプレー、自己満足に過ぎま…

正当化

政治においては、「目的が手段を正当化する」ことがあってはいけません。歴史は、その傲慢がもたらす悲劇に満ちています。

繰り返す愚

山本太郎参議院議員が、園遊会で天皇陛下に原発問題に関する手紙を手渡したことが問題視されています。「天皇の政治利用ではないか」と。実は、その批判そのものが、発想において山本氏の行為と同根であることに多くの人が気づかずにいるのが解せません。敬…

母という性(さが)

人は誰でも一作は小説を書けると云います。つまり、家族の物語を。犯罪を扱った小説を書けなくなった(と本人が思った)高村薫が選んだのは、母の物語でした。そして、母親を描くなら、その女性を母親と認識する息子や娘の存在がなくてはいけません。家族と…

出費

BOX

ヘッドギア、ミット打ち用とマスボクシング用の二種類のグローブを購入することに。やはり、同じ道具を他人と一緒に使うのは性に合わない。これまでよりもマスボクシングや軽めのスパーリングを多くこなすようにして、ボクシングというゲームをより楽しみた…

母という女性(ひと)

遠洋漁業の船員の目を通して日本の近現代史を描く、高村薫の『晴子情歌』。そこには、物語の構成として配されたものがあります。三十歳を目前にした船員の息子への“母親からの手紙”です。高村薫が『晴子情歌』を上梓したとき、それまでの作品とがらっと変わ…

報道の死

「特定秘密保護法案」において、知る権利、報道の自由に配慮する旨の文言が付記されるとのことですが、これほど馬鹿らしいことはありません。その法律が実際に運用されるに際して、運用する側が自分たちの意に沿わないことに譲歩するわけがありません。その…

感傷

『わたしが・棄てた・女』の森田ミツの他者への悲しみの共感は、著者が書いているように同情や憐憫、つまり感傷ではありません。その感傷を描いて世評が高いのがレイモンド・チャンドラーです。その作品の主人公、フィリップ・マーロウは傍観者であり観察者…