2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ガンダム雑感②

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』がアニメ化されます。作れば売れるのは、誰の目にも明らか。なら、それを作るのは企業として健全な態度です。しかし、“ガンダム”の名を冠した作品が絶えず作られ続けている状況とともに、それはクリエイティビティの貧困…

ガンダム雑感①

ガンダムの生みの親といえば、誰もが富野由悠季を思い浮かべます。その富野由悠季は、アムロとララァの出会いを描いた小説『密会』を書いた際、「将来、ガンダムの原作と呼ばれる作品」とコメントしています。その数年後。『機動戦士ガンダム』が安彦良和に…

正解はないけれど

『マイケル・サンデル 大震災特別講義 私たちはどう生きるのか』は、4月16日にテレビ放送されたものを書籍化したものです。今もまだ予断を許さない状況ですが、今以上に何がどうなっていくのか誰にもわからない緊張が社会を覆っていた時期のやり取りです。サ…

『灰姫 鏡の国のスパイ』

打海文三の『灰姫 鏡の国のスパイ』は、日本、極東ロシア、北朝鮮を扱ったエスピオナージュです。投資環境についてのレポートを商品にする民間調査会社の社員が暴行を受けて死亡します。その背後に北朝鮮の情報機関の存在が疑われ、ロシアのKGBやアメリカのC…

『ビアフラ物語』

本当に厳しい本を読んだ後、感想を書こうとしても手が動きません。フレデリック・フォーサイスの『ビアフラ物語』は、1960年代後半にナイジェリアで起きた独立紛争を綴ったルポルタージュです。そこで、フォーサイスは独立しようとした地域、ビアフラ共和国…

プロ

中日ドラゴンズの落合監督の、シーズン終了後の退任が発表されました。それ相応の結果を出した「勝つことが最大のファンサービス」という落合監督の主義主張と、観客動員数の減少という事実の乖離。しかし、女子サッカーの「なでしこジャパン」が注目された…

茶番劇

山本太郎を含む複数の人たちが告発されたとの報道がありました。http://news.livedoor.com/article/detail/5880171/その行間に横溢するもの、それは“やらされている感”です。アナタ、どこの誰ですか?私は、山本太郎の名前の前に、“俳優の(タレントの)”と…

それだけのことで

『中国嫁日記』という漫画があります。同名のブログにて掲載されている四コマ漫画を書籍化したものです。ある夫婦の日常を描いた作品で、読んでいると幸せのお裾分けをもらっているような気持ちになります。ほのぼの。そのブログの最新の記事にて、大相撲の…

非難する

二万人の命が失われた惨事を目の当たりにした後。このようなニュースを見聞きするのは苦痛以外の何物でもありません。革命に揺れる中東、シリアで、反政府デモに参加する者はすべてテロリストであるから射殺すべしとの指令が軍に出されているそうです。http:…

呪縛

私の友人の言葉。他人に腹を立てるのは、状況を思うようにコントロールできない自分自身に腹を立てているだけ。しかし、怒りは人間の根源的な感情です。不動明王に代表される荒ぶる仏たちの憤怒の表情が、それを物語っています。

空と地面

あの地震から半年が過ぎました。あの日の記憶は、薄れるどころか、なお鮮明さを増しています。一方で、人間の慣れは日常を浸食し、今日もまた一日が終わろうとしています。それでも忘れていないこと。私が見上げる空はアナタの見上げる空と繋がり、私が立つ…

魂の行き着く場所

犯罪は貧富の差に起因し、人間の平等を実現した共産国家では起こり得ないという絶対のテーゼを守ることを第一義とした捜査は、真実の追究などしません。理想的な共産国家の市民ではないと断じられた者が容疑者になり、逮捕され、事件は収束します。結果、真…

大人の階段

私たちは、何かを得ることをベースに物事を捉えています。物であれ、精神的なことであれ。森瑤子は、「何故、別れ話を書くのか」と訊かれ、大略「恋に落ちている時、世界は二人の中だけで完結しており、そこにドラマは無い。別れる時こそ、想いや葛藤が現れ…

オンナのセリフ②

映画『麻雀放浪記』は、戦後の無頼の時代を描いています。恋人のドサ健の博打のかたに、親が遺してくれた家を奪われた若い女性。演じるのは大竹しのぶ。それでも自分から離れない女性に、ドサ健が訊きます。「何故、自分と別れないのか」と。その女性は、笑…

オンナのセリフ①

『∀ガンダム』は、男たちの物語である以上に、女たちのドラマです。互いに理解できず、軋轢を増すばかりのムーンレイスと地球の人々。月の女王ディアナ・ソレルと入れ替わったキエル・ハイムは相互理解と融和を説きます。そして、敵が増長するとの諫言を受け…

幸せな時間

「空海と密教美術」展に続いて、六本木は国立新美術館で開催されている「ワシントンナショナルギャラリー」展にも行きました。絵画に関する知識はもちろんのこと、絵心の無さには自信があります。同行者たちがたくさんの絵に感動して喜んでいる傍で、私のお…

密教美術

上野は東京国立博物館で開催されている「空海と密教美術」展に足を運びました。もの言わぬ仏像が、無言のまま、その表情と佇まいから伝えてくる想い。それは、密教の思想のみならず、製作に携わった当事者たちを含め、そこに何がしかの想いを抱いた数え切れ…

似て非なるもの

“硬派”には「手段が目的になる」という特徴があります。政界での与野党の批判合戦も、「与党の立場で自分たちの望む政策を実行する」という“目的”があり、そのために対立する相手を叩く“手段”のはずです。しかし、粗探し自体が目的に堕しています。では、こ…