2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

私の好きな作家:森瑤子

あらゆる法則には例外がある、という法則。恋愛小説を、そうと意識して手に取ることのない私ですが、その唯一の例外が森瑤子です。本人が「恋愛中ではなく、別れる時にこそ、ヒトの本当の姿とドラマがある」と言うように、その作品のほとんどが別れ話を題材…

二人の美女

モンキー・パンチが描く(漫画の)『ルパン三世』の峰不二子。美しいだけでなく、時にはルパンも顔負けの知性と悪戯心が魅力的です。映画『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスター。野暮ったい田舎娘が、レクター博士と出会い、洗練された美しさを身にまとっ…

映画『ウォール街』

金融危機が発生する前。 安価な労働力をアジアに求めた結果、産業の空洞化を来たしつつある状況を憂いて、何人もの経済評論家からこのような意見が出されました。“日本は投資立国を目指すべきだ”この言葉を聞いた時、映画『ウォール街』を思い出しました。オ…

縄跳び

BOX

ボクシングジムでは、まず準備体操をし、次に縄跳びをします。この縄跳び、侮ってはいけません。慣れた人は片足で交互に二回ずつ、リズムよく跳びます。もちろん私も現在はそのように跳んでいますが、通い始めた当初はそうはいきませんでした。慣れ以前に、…

私の好きな作家:氷室冴子

故氷室冴子と書かなければならないことがとても悔しく、残念です。 読み始めたきっかけはスタジオジブリが制作したテレビアニメの『海がきこえる』を観たことでした。すぐに単行本を買いに走りました。この高知を舞台にした高校生の物語は、読者をはらはらど…

中身は子ども

「現知事として謝りたい」とは何たる言い草か。昨日の森田健作千葉県知事の発言には呆れ果てて言葉も出ませんでした。“現”知事という言い方に見え隠れするのは、一連の不正経理は自分とは無関係な時と場所で起こったものであり、私は悪くないが、立場上謝罪…

私の好きな作家:三島由紀夫

三島由紀夫は自ら命を絶つに到る物語の印象が強く、作品を語る際にもその軛から逃れることができません。それを承知のうえで、私が最も好きな作品として挙げるのは『仮面の告白』でも『金閣寺』でも『憂国』でもなく、『春の雪』です。美しい日本語で紡がれ…

魔法の言葉

“自分で決めたこと”他人の目を誤魔化すことはできるかもしれませんが、他の誰でもない、自分自身が見ています、知っています。自分に嘘はつけません。その苦しみの先に何が見えるのか? さあ、もういっちょう、行こうか。

既視感

僅か数年前に見た風景。 旧弊を唾棄し、“何か”新しいことをしてくれそうだという“感覚”が引き起こした地滑り的圧勝。浮ついた興奮。そして異常に高い支持率。 そう、小泉純一郎が政局の最前線に躍り出てきた時、私たちはこの風景を見ました。テレビドラマの…