2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

飲み込めない

咀嚼しようと試みながら果たせず、ずっと腑に落とすことができないでいる言葉があります。東京オリンピックの開催が決まる前、まだ誘致レースの真っ只中の頃。猪瀬直樹都知事の、大略「オリンピックで盛り上がることで、心のデフレを脱却する」という発言で…

『黒警』

もう何年も、警察小説の隆盛が謳われています。しかし、私は話題になっている作品を何冊か読んでいるだけで、その流れに乗れずにいます。かつて、テレビの刑事ドラマは、犯罪を題材にすることで世相や、その犯罪を犯さざるを得なかった者の悲しみを描き、視…

急がば回れ

この本の主張はシンプルです。「人を育てよう」「とりあえず目の前の利益を確保しなくては、次がない」という汲々とした世の中で、それを主張するのには勇気が要ります。“米百俵”も、そのとき持て囃されただけで終わりました。小泉純一郎が首相だった頃、戦…

別の現在の私

BOX

七月下旬に風邪をひき、お盆頃の復帰を目指すも叶わず、九月になって再始動。まる一か月、これほど長くジム通いを休んだのは初めてのこと。初日は、シャドーを中心に、分量も時間も従来の半分程度でへとへと。さらに、翌日には軽いものながら筋肉痛になり、…

演じる

自分らしさ、個性。甘美な響きです。その内懐に言い訳を抱いて。余人に替え難いユニークな人は希少だからこそユニークなのであって、誰もが“特別な人”なら存在価値はありません。唯一の例外は家族ですが、それも属性の問題であって、その人の個性は関係あり…

ふと立ち止まろう

価値観は時代と場所で千差万別、十人十色。それはわかっちゃいるけれど……。内田樹は、『疲れすぎて眠れぬ夜のために』で、私たちが当たり前だと思っている価値観が実は脆弱であること、それに自分を委ねることの愚を論じています。「それが常識」というのは…

般若心経

最も有名なお経のひとつ、般若心経。般若心経について書かれた本を読んだことがありますが、それももう何年も前のこと。それとは違うアプローチの本を読んでみたいと思い、玄侑宗久の『現代語訳般若心経』を手に取りました。『禅的生活』の続きという側面も…

現在の私

どうやら、読書の傾向が変わってきたようです。以前のように、特定の作家が気に入って作品を買い揃えることもなくなりました。それとともに、小説については、新しく出てきた作家の作品を手に取ることもなく、好きで読んでいる作家の新刊を買うだけというこ…

まだ……

NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』を観て、思いました。「まだ、喉もとを過ぎていないのだ」と。

『消滅のリスト』

世界が二つの陣営に分かれて睨み合った東西冷戦の後。ソ連が消え、唯一の超大国となったアメリカを中心に世界が回ると思いきや、そうは問屋が卸さず、新たに中国が台頭してきましたが、利害が錯綜して、かつてのような二極構造にはならず、その歪みは複雑に…