2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『新宿鮫』

自らを“永久初版作家”と揶揄していた大沢在昌は、『新宿鮫』によって流行作家としての地歩を固め、続編の『毒猿』によってその地位を決定的なものにしました。その後の活躍はご存知のとおり。その変貌振りを、“けれん”のひと言で言い表そうとする態度を多く…

格闘って何?

よく見かける言葉。当ブログでも使っていますが、書くたびに喉に引っかかった小骨のように飲み込めないでいる言葉があります。“格闘家”○○家という言葉はたくさんあります。空手、柔道、剣道、その他。カテゴライズすれば、“武道家”です。ボクシングはボクサ…

備忘録

BOX

たまには“日記”らしく、備忘録。昨日で、ボクシングジムに通い始めて丸六年が経った。言うなれば、小学校を卒業。ほぼ六年履いていたレスリングシューズの底、右足の親指の付け根部分が破れて穴が開いたので、近々買い替え。正しいフォームの証。六月から中…

衝撃の事実

この曲が、「ワールドプロレスリングのテーマ」ではなかったなんて……。

アントニオ猪木VS藤波辰巳

今回は、事実関係を検索して調べなおすことをせず、すべて記憶を頼りに書きます。事実誤認があるかもしれませんが、それも含めての内容とご承知ください。あれは、選手の大量離脱によって新日本プロレスが窮地に陥っていた時。長州力たちはジャパンプロレス…

解き放て

「UWFのテーマ」とともに、細胞が活性化する一曲。※“埋め込みがリクエストにより無効”となっていますが、画面上のタイトルか画面の黒い部分をクリックすると別ウィンドウが開き、通常のYouTubeの画面にてご覧いただけます。

決闘

日本なら“宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の決闘”。アメリカなら“ワイアット・アープのOK牧場の決闘”。洋の東西を問わず、人びとは決闘という言葉に胸躍らせます。現在のMMAの、技術的なトレンドの最先端を行くとされるUFCにおいてさえ、Aという選手とBとい…

煽りVの功罪

総合格闘技、或いはMMAと呼ばれる競技においては、試合は“決闘”の趣きを帯びます。Aという選手とBという選手のどちらが強いか。そのような無機質な視点は、観る者が技術的に習熟していなければ、興味を持続することはできません。主にPRIDEにおいて、煽りVは…

追悼:ラッシャー木村

新日本プロレスにおいて、正規軍と維新軍の抗争がメインストリームとなった時、実は世代交代が行われていたのかもしれません。映画『男はつらいよ』が、渥美清の衰えとともに寅次郎一人の物語として作り上げることが困難になり、甥の満男の恋話の比重を大き…

そこに何を見るか

無声映画のような、言葉を必要としない物語。だからこそ多くのことを語りかけてくるというパラドックス。そこに何を見るか。見る者に委ねられるからこそ、訴えかける力。※先日書いた記事“私は観客”はあまりの拙さに削除しましたが、この煽りVは一編の物語と…

『エコー・パーク』マイクル・コナリー

マイクル・コナリーの“ハリー・ボッシュ”シリーズの最新作『エコー・パーク』を読みました。もはやお約束。帯には“シリーズ最高傑作”の文字。それは嘘ではありません。発表される作品が、いつも読者の期待を裏切らない事実。すべての作品が高いレベルを維持…

ストロングスタイル

PRIDEが消滅し、五味隆典が敗れ、青木真也が敗れ、ある二つの言葉が紙媒体とネットの両方で踊っています。“アメリカンスタンダード”と“ジャパニーズMMA”。柔道とJUDOの不毛な軋轢に重なるこの二つの言葉は、情緒的に過ぎます。私は、今は方法論として使われ…

スタイリッシュ

マイクル・コナリーの創造したハリー・ボッシュは、コナリーの友人である作家、“アメリカ文学界の狂犬”と評されるジェイムズ・エルロイの経歴と重なります。エルロイもまた、母親を殺されるという痛ましい過去を持っています。“暗黒のL.A.四部作”の『ブラッ…

敗れざる者

K-1におけるアンディ・フグの軌跡は、敗戦の歴史です。グランプリの優勝候補といわれながらパトリック・スミスに敗れ、今度こそといわれながらマイク・ベルナルドに敗れ……。ピーター・アーツに左右の連続のハイキックで倒され、フランシスコ・フィリオに一撃…

ミルコ・クロコップ

格闘技の記事を書いた連想のままに。K-1からPRIDEへの移籍。ミルコの転進は、私にとって象徴的な出来事でした。リングサイドに有名芸能人が陣取り、華やかで、優秀なコンテンツで、あれこれ語ることが時代の最先端だったK-1。ミルコの移籍は、そのK-1が最早…

小川直也の見えない涙

“暴走王”というニックネームを奉られた小川直也。私は格闘技と呼ばれる試合を観て、たった一度、泣いたことがあります。小川直也VSエメリヤーエンコ・ヒョードル。“氷の拳”と呼ばれる凄絶な打撃を武器とするヒョードルですが、この試合、決定的な場面は別の…

可愛い顔して

先日、自然界の厳しさを垣間見ました。仕事中にふと外を見ると、スズメがちょんちょんと跳ね回っていました。小動物を愛でる気持ちで眺めていると、そんな穏やかな雰囲気ではありません。そのスズメは、懸命に虫をついばんでいました。嘴だけで虫を捕らえよ…

カーチェイスはここから始まった

現在、マイクル・コナリーの最新作『エコー・パーク』を読んでいます。その主人公、“コナリー推進キャンペーン”で何度も触れたハリー・ボッシュは、映画『ブリット』のスティーブ・マックイーンをイメージして作られたそうです。アクション映画にカーチェイ…

欲しがる

柔道選手の谷亮子が参院選で民主党から立候補することに対して、批判的な論調が目立ちます。柔道でも現役を続行しロンドン五輪の金メダルを目指す、との表明が風当たりをさらに強いものにしています。読売新聞朝刊の「編集手帳」で、“片手間で……”とまで書か…

『ママはぽよぽよザウルスがお好き』

読んでいると思わずにこにこしてしまう、楽しい育児漫画です。作者は「うちの方がまだマシ」「うちだけじゃなくて安心した」という読み方をされたのだろうと語っていますが、いえいえどうして、それだけではないでしょう。“理想的な子育てのノウハウ”なんて…

コナリー推進キャンペーン7

立ってるものは親でも使え。世俗の権威を援用することも辞しません。アメリカのビル・クリントン元大統領が、在任中だった当時からマイクル・コナリー作品のファンであり、自身の口でそれを語っていたことは有名な話です。コナリーはアメリカ探偵作家クラブ…

コナリー推進キャンペーン6

Wikipediaから、マイクル・コナリーの略歴を転載します。「1980年、フロリダ大学でジャーナリズムを専攻として卒業するが、その専攻のきっかけは、在学中にレイモンド・チャンドラーの小説に出会い、作家となる決意をしたためという。卒業後は、フロリダで新…

コナリー推進キャンペーン3

ここで最初に書いた“シーズン”の話に戻ります。ハリー・ボッシュ登場から、母親の死による心の傷を克服するに至る、『ナイトホークス』/『ブラック・アイス』/『ブラック・ハート』/『ラスト・コヨーテ』この四作品を<1st.シーズン>と呼ぶことができます。…

コナリー推進キャンペーン2

心の傷から見えない血を流しながら、犯人を追うハリー・ボッシュ。特に母親の異常な死は、彼の心から安らぎを奪い去りました。その孤独な陰影は、作者がその内面を過剰に書き立てなくても、読者にひりひりとした感触を伝えてきます。一人先鋭化するボッシュ…

コナリー推進キャンペーン1

もう何年も、『24』や『プリズン・ブレイク』、『LOST』といったハリウッド製の長編テレビドラマが人気を博すとともに、高い評価を得ています。それらは、高い人気に支えられて続編が作られ、従来の“シリーズ”という言い方とは違い、“シーズン”と呼ばれてい…

コナリー推進キャンペーン5

あなたが本を習慣的に読む生活を送っているのなら、年に何冊の本を読むでしょうか。一週間に1冊として一年間で50冊。2冊なら100冊。それ以上でしょうか。マイクル・コナリーの作品は、現時点で合計17作品(31冊)です。多いようですが、一年二年のスパンで見…

コナリー推進キャンペーン4

それでも、「初めて読む作家でいきなり四作品を買い揃えるのは負担だ」という方に。マイクル・コナリーにはノンシリーズの作品もあります。が、それらはすべて“ハリー・ボッシュ”シリーズとリンクして、その作品の主人公が後々ボッシュと共演することになり…

『あたしンち』

お気に入りのキャラクターは“しみちゃん”と“石田”。

「映像記録 昭和の戦争と平和」

この番組を録画したビデオテープが家のどこかに埋もれています。“戦後”という言葉で近代から現代への時間の流れ、即ち歴史を分断してしまうことのナンセンスさが皮膚感覚でわかります。遠い時代の遠い場所の遠い人たちではなく、私たちと同じ国土で同じ日本…

政治家とは

どうやら、その道の素人でも務まるものらしい。