2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

個人的読書の作法

私は本を買った時、必ずその書店のカバーをつけてもらいます。それは、環境的に人前で本を読むことがなく、何を読んでいるか他人に知られたくないという理由からではありません。そのカバーをつけたまま、本棚に並べます。そうすることで、まず購入したこと…

『レディ・ジョーカー』(下巻)

「消エルコトニシタ……。レディ・ジョーカーからの手紙が新聞社に届く。しかし、平穏は訪れなかった。新たなターゲットへの攻撃が始まり、血色に染められた麦酒が再び出現する。苦悩に耐えかねた日之出ビール取締役、禁忌に触れた記者らが、我々の世界から姿…

叱咤

この松田優作の愛情に満ちた厳しさ。

『レディ・ジョーカー』(中巻)

「城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを“人質”に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付…

男の涙

「男が涙を見せて良いのは人生において二度だけ。一度は初めて子供が産まれた時。一度は母親が死んだ時だ」という文章を読んだことがあります。(相変わらずの出典不明)サイボーグという“異形の者”である009の涙は、その歌詞と相俟って、私の胸をざわつかせ…

『レディ・ジョーカー』(上巻)

高村薫は、かつて「自分はミステリーを書いているつもりはない」と発言しました。そして、実際に、阪神大震災後は、仏教に関心を寄せて大きく作風を変えました。その発言に、東野圭吾が「自分はミステリーを一段低く見るようなことはしない」と噛み付きまし…

鼓舞

BOX

“独り”であることと、他人(ひと)に生かされて自分があることは矛盾しません。「葉隠」に曰く、「武士道と云ふは死ぬことと見つけたり。二つ二つの場にて、早く死ぬはうに片付くばかりなり。」ボクシングジムで易きに流されそうになると、ircleのある曲のあ…

信じて待つ

長谷川穂積がTKO負けを喫しましたが、私の、彼に対する視線に何ら変化はありません。長谷川はさらに強くなってリングに戻ってくるでしょう。その日が楽しみです。