2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

船戸ハードボイルドの射程

チュニジアの政変に端を発した、中東の混乱。暴動とデモの連鎖。私は、まだまだ収まる気配を見せない一連の出来事と、その結果は、世界史において、現在の中国の台頭以上にインパクトがあるだろうと予想します。そして、船戸与一の『蛮族ども』を思い出しま…

愛だろ、愛

最近、格闘技について色々と思うことはあるものの、記事を書くまでに至っていません。というのも、buhensha氏と美空氏のブログ記事が充実して読み応えがあり、興味深く読みつつ、それに満足してしまっているからです。ここまで書いてくれる方がいるなら、私…

言霊が消えた日

これは、細川連立内閣の成立と自民党の下野から始まる話ですが、今回は、それについては一まず措きます。野党の屈辱を味わった自民党は、釣り針に“総理大臣の椅子”という餌をつけました。食いついたのは、社会党。自社さ(自民党・社会党・新党さきがけ)連…

化粧直し

「本が売れない」やら「雑誌が売れない」やら。もう何年も、出版不況が叫ばれています。一つひとつの本が売れないのであれば、点数を増やすことで補うしかない。そうして、書店ではバラエティに富んだ本が所狭しと並んでいます。その結果、一冊の本の(書店…

子供扱い

かつて、テレビの黎明期。評論家の大宅壮一は“一億総白痴化”という言葉で警鐘を鳴らしました。そして、現在。時を経て、その視聴者が作り手になり、事は切実になりました。プロスポーツ選手を、“クン”や“ちゃん”をつけて呼ぶマスコミ。彼らは媚びています。…

バトンリレー

私は、仕事を終えてボクシングジムに行く途中、コンビニエンスストアに寄って、おにぎりやパンを一つ、お腹に入れます。今日(正確には昨日)のこと。レジで支払いを終え、出入り口に向かうと、私の前に、やはり店から出ようとする人の姿が。その人がドアを…

暴力

大藪春彦の対談集『男たちよ 闘いの荒野に死ね』(角川文庫・絶版)に、五木寛之との間で以下のようなやり取りがあります。五木「暴力というものに対して、いまでも一概に否定できないわけです。つまり、暴力は(権力や社会的地位、金といった、身を守る術を…

距離感

数日前。所謂“不良”と呼ばれる過去を持つ、ある格闘技選手へのインタビューを基にしたコラム記事を読み、そのURLを貼って、「これほど酷い提灯記事は見たことがない。金のためなら媚びも売るか」「彼らには、彼らの暴力によって傷つけられ、心を蹂躙された人…

『ガラスの鍵』

ダシール・ハメットの『ガラスの鍵』は創元推理文庫版で読んでいましたが、あらためて光文社古典新訳文庫のものを手に取りました。「賭博師ボーモントは友人の実業家であり市政の黒幕・マドヴィッグに、次の選挙で地元の上院議員を後押しすると打ち明けられ…

花の命は短くて

命短し、恋せよ乙女。

お茶の間

先日、通っているボクシングジムで、小学一年生の息子さんと一緒に練習している方と話しました。田舎町でも、ボクシングジムの他に、キックボクシングのジム、様々な流派の空手道場などがあります。ここ数年、閉店したコンビニの店舗などを利用したものも見…

『夜は終わらない』

ジョージ・ペレケーノスの『夜は終わらない』は、犯罪捜査とともに、家族の絆を描いています。ラモーンを含め、いくつもの家族、親子が登場します。逆に家庭を持つことなく一夜の女性遍歴を重ねる男もいます。妻に先立たれた老人もいます。家族。この近くて…

最大級の賛辞

「1985年。三件の連続殺人事件。被害者は未成年で、名前が前から読んでも後ろから読んでも同じスペルという共通点が。また、三人とも、公共のコミュニティ菜園で発見された。事件は“回文殺人事件”、犯人は“夜の園芸家”と呼ばれた。現場には無骨な老巡査部長…

寿ぐ

素晴らしき哉、人生。

『リトル・シスター』

言葉の魔力、呪力は恐ろしいもの。氷室冴子がフィリップ・マーロウについて書いた文章を頭の片隅に置いての読書になってしまいました。これはまったくの偶然で、参りました。「十代や二十代前半の頃、たとえばフィリップ・マーロウの如きヒーローにいかれて…

呟いてみる

私は、アナタの歴史を尊重します。同じように、私の、私の家族の歴史を尊重してください。お互いに利害関係にないのですから、それで支障は無いでしょう。

呟く

言葉は心を切り裂きます。深く傷つけます。鋭利な刃物で切られた傷は、肉体的なものであれば、治癒も早く、痕も目立ちません。しかし、心の傷は、逆です。傷口はぎざぎざにささくれ立ち、容易には治りません。傷つけた側は、傷ついた者の苦しみに気がつきま…

験を担ぐ

スポーツ選手、殊に技術的に最高峰とされるプロスポーツ選手に、験を担ぐ人が多いと聞きます。心と身体の不思議。エメリヤーエンコ・ヒョードルの再始動が報じられました。ファブリシオ・ヴェウドゥム戦で、彼は初めてスキンヘッドで登場し、敗れました。次…

『死角』

今年の最初の一冊。マイクル・コナリーの『死角 オーバールック』を読みました。ハリウッドの展望台で起きた殺人事件。その被害者は、妻を人質にされて、病院から放射性物質を持ち出した模様。テロの可能性があり、FBIが捜査に乗り出してきます。ロサンゼル…

もう一つの“真剣勝負”

大晦日のDynamite!!。その放送席には、いつものように佐々木希。にこにこと、与えられた台詞をこなす姿はもうおなじみ。「ああ、このコは格闘技に興味がないんだな。仕事としてやっているんだな」という印象もいつも通り。その放送席に、今回は別の女性ゲス…

ビジョン無き戦い

大晦日のDynamite!!をテレビ観戦しましたが、点と点が繋がって線になっていないちぐはぐさを感じました。すべてが唐突で、孤立していました。「何故、その対戦カードなのか」「何故、大晦日なのか」と問われて、私はその意義を答えることができません。唯一…