船戸ハードボイルドの射程

チュニジアの政変に端を発した、中東の混乱。暴動とデモの連鎖。

私は、まだまだ収まる気配を見せない一連の出来事と、その結果は、世界史において、現在の中国の台頭以上にインパクトがあるだろうと予想します。

そして、船戸与一の『蛮族ども』を思い出しました。

「1980年4月、九十余年にわたる白人支配が終わりを告げ、アフリカに新たな独立国、ジンバブエ共和国が成立した。一代で巨富を築いた白人オズボーンは、この状況に危機を感じ、この国からの脱出を決意した―。時価二億六千万ドルの金塊と九人の傭兵を乗せた列車は、南アフリカのメシアを目指し、ひたすら走り続けた。成功報酬は一万ドル。色と欲、謀略と戦闘渦巻くなか、血塗られた傭兵たちに明日は来るのか!」(角川文庫版)

船戸ハードボイルドの力強さ。