2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

問う映画

2017年11月22日。平成29年の誕生日に『ブレードランナー2049』を観ました。これは意識してのことです。埴谷雄高の『死霊』の「自分とは何かではなく、何を以て自分とするのかと問うべき」を経て、もう一度返って「自分とは何か」を問うてみるのも一興。そん…

猪木イズム考

高田延彦とヒクソン・グレイシーが戦ったPRIDE.1から20年ということで、関連書籍の発売が続いています。何とまあ、賑やかなこと。そのなかの一冊に『プロレスが死んだ日』というものがあります。当然ながら、「プロレスは死んでいない」という反論が出ていま…

『鹿の王』感想②

上橋菜穂子の『鹿の王』では、人間のみならず、生きとし生けるものの体の複雑さ不思議さを説きます。病もまた、その構成要素の一つです。その病を根絶することは事実上不可能で、わたしたちは共生するしかありません。奇しくも、最近始まったNHKスペシャルの…

『鹿の王』感想①

「飢えは戦争の合法的な武器であり、われわれはそれを叛徒に対して用いることを躊躇しない。」フレデリック・フォーサイスが『ビアフラ物語』で記している、ナイジェリアの政府高官の言葉です。上橋菜穂子の『鹿の王』では、ある王国を舞台に、被征服民族の…

曲解・硬派の宿命

生物の進化の過程において、それは徐々に進むのではなく、あるとき突然変異的な異端が生まれ、それによって階梯を一気に上ると聞いたことがあります。地球を一つの生き物として捉える思想があり、それは地表で蠢く生き物を含みます。その中の一部、人間の作…

東京小旅行⑤

二日目は、前記の三部構成に加えて、もうひとつイベントがありました。ホテルにチェックインして、ベッドにごろん。一時間半くらい仮眠を取りたいと思っていましたが、そうは問屋が卸しません。静かに静かに興奮が這い上ってきて、目を閉じて寝返りを打つば…

東京小旅行④

第三部は紀伊国屋書店の本店に行くことです。やはり学生時代、一度だけ訪れて以来のこと。目当ては宇野常寛の『母性のディストピア』を買うことです。本の内容、その他感想は読んでから書こうと思っていますので、今回は触れずにおきます。とにかく、地元の…

東京小旅行③

第二部は「新宿御苑で大沢在昌の『毒猿 新宿鮫Ⅱ』を読むこと」です。『毒猿』の最後、物語のクライマックスの舞台が新宿御苑、その中の「台湾閣」です。案内のチラシには「旧御涼亭」とあり、現在は呼び名が違うのかもしれませんが、わたしの中では台湾閣で…

東京小旅行②

東京旅行の二日目は三部構成。テーマは“お上りさん”。第一部は「はとバスツアー」です。大学時代の四年間を東京で過ごしたとはいえ、足を運ぶ場所は限られており、東京は広く、地理に詳しくありません。そこで、東京駅から出発してレインボーブリッジを走り…

東京小旅行①

久しぶりに東京に出かけました。観光ではなく明確な目的があってのことで、ビジネスホテルの予約からすべて自分で準備をしました。初日の目的地は後楽園ホールです。通っているボクシングジムのプロ選手が東日本新人王決勝戦に出場するので、その応援です。…