2017-11-11から1日間の記事一覧

『鹿の王』感想②

上橋菜穂子の『鹿の王』では、人間のみならず、生きとし生けるものの体の複雑さ不思議さを説きます。病もまた、その構成要素の一つです。その病を根絶することは事実上不可能で、わたしたちは共生するしかありません。奇しくも、最近始まったNHKスペシャルの…

『鹿の王』感想①

「飢えは戦争の合法的な武器であり、われわれはそれを叛徒に対して用いることを躊躇しない。」フレデリック・フォーサイスが『ビアフラ物語』で記している、ナイジェリアの政府高官の言葉です。上橋菜穂子の『鹿の王』では、ある王国を舞台に、被征服民族の…