2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

血と業

旧約聖書の昔から親と子の相克は語られており、珍しいものではありません。それが形や語り口を変えながら続いているのは何故でしょうか。血は人の心を縛ります。理屈や損得勘定、物事の善悪を超えて動かします。そして、受け継がれて今に至るものとして人と…

『東京輪舞』

八甲田山の昔から、日本人の責任を取らない体質は指摘されています。それが最も顕著に表れたのが、第二次世界大戦の後、戦犯として公職を追放されていた人たちが、東西冷戦の深刻化と軌を一にして続々と復帰したことです。あのとき、たとえ法的に許されよう…

いつものこと

今年の冬も微々たる金額ですがボーナスが出ましたので、そこからさらに僅かながら、「あしなが東日本地震津波遺児基金」と「国境なき医師団日本」に寄付をしました。「感謝の気持ちは、それを相手に伝わるように表さなければ意味がない」なら、こうして報告…

受け継ぐ

森絵都の『みかづき』を読みました。学習塾を舞台にした親子三代の物語です。この物語の根底にあるのは“受け継ぐ”ことです。それは社会的立場や地位のことではありません。想いです。教育に対するものであれ、家族に向けたものであれ、その想いが人の心を揺…

新宿の夜

夏に続いて、今年二度目の新宿。紀伊国屋本店で五條瑛の新刊を購入し、地下のレストラン街でカレーを食べながら昼間からビール。その後、喫茶店のルノアールで蜂蜜ジュレのアイスティーを飲み時間調整。前回と同じルーティンです。そうして再会したのは、泰…

筋を通す

C.J.ボックスの、猟区管理官ジョー・ピケットを主人公としたシリーズの番外編、脇役のネイト・ロマノウスキを主役にした『鷹の王』を読みました。評論家の北上次郎はネイトを絶賛していますが、以前このブログで書いたように、わたしは違和感を抱いていまし…