2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

あきらめる

ひろさちやの『諸行無常を生きる』は“あきらめる”ことを説きます。著者は、この本の中で無常(=変化)を便宜的に四つに区別します。“不可逆的変化/可逆的変化/循環的変化/偶発的変化”です。これらの変化の中で、私たちは苦しみます。仏教用語では、“苦”とは…

発熱しよう

暑中お見舞い申し上げます。熱さを以って暑さを制す。この夏、アナタは何に燃えますか?

含羞

大藪春彦は、対談集『男たちよ闘いの荒野で死ね』(角川文庫・絶版)に収録されている五木寛之との対談で、こう言います。「いつも目だたないように、ひっそりと生きたいと思っているのに、なんだかんだと波乱万丈にひきずり込まれてしまうんで、自分でも不…

自分との約束

少ない金額ながら、夏のボーナスが出ました。そこで、昨年末に引き続き、日本ユニセフと「あしなが東日本大地震・津波遺児募金」に寄付をしました。といっても、必要最低限の生活費を除いた残り全額ということもなく、微々たる金額です。このことを記事に書…

誰がために

オリンピック商戦が盛り上がっていないとの報道があります。当たり前でしょう。「衣食足りて礼節を知る」なら、日々の暮らしが安心して営めて、初めて生活の外側にあるものに目を向けられるというものです。平たく云えば、それどころではないのです。商業主…

忠臣蔵

人口に膾炙している赤穂浪士の義挙の物語は、歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」を基にしています。その(脚色というよりも)虚飾を排して面白いのが、『薄桜記』の五味康祐の『一刀斎忠臣蔵異聞』(文春文庫・絶版)です。当時の資料、つまり当時の人々の意見や言…

武士道

士は己を知る者のために死ぬ。友情とは、ともに過ごした時間に比例するものではありません。「この人は人物である」という感銘が、「その人が、自分を同じように認めてくれている」という感動があれば、それで良い。天は、その二人の男に過酷な運命を課しま…

作家の怒り

この震災と、その後の事態の推移について、私が知るかぎり船戸与一は発言をしていないはずです。「文藝春秋」の増刊号にも名を連ねていません。最新作の『雷の波濤 満州国演義7』は書き下ろし。つまり、私たちが右往左往し取り乱して言葉を乱発している間、…

積極療法

BOX

数週間前から、右脚の脹脛の内側部分に痛みを感じていました。真上から見ると、親指の付け根の部分と重なるので、きちんと動けているからこその痛みであり、その部分が鍛えられているのだと解釈していました。ところが……。数日前、職場で、右脚を庇いながら…

拳で語り合う

その強さは誰もが認めながらも、面白みに欠けるとも評されるチャンピオンのアンデウソン・シウバと、相手を挑発して注目を集め、試合に向けて雰囲気を盛り上げていくチェール・ソネン。二人は一度戦い、このまま行けばソネンの判定勝利は間違いないという展…

犍陀多

私を含め、多くの人がブログやツイッターに手を染めるようになって、誰もが突きつけられたことがあります。それは、「あれこれと何かを考えているのは自分だけではない。自分が考えていることは、他の誰かも考えていることであり、自分は唯一無二のユニーク…

陰謀論

一度だけ、自らに課した禁を破ります。この震災と、その後の右往左往はモンスターを生み出しました。それは“猜疑”です。政治家が何を語ろうと、企業の経営者が何を説明しようと、マスコミが何を論じようと、「それは本心からの言葉なのか、そのデータは真実…

石の上にも三年

もうすぐ、このブログを始めて丸三年になります。そこで、ツイッターを始めることにしました。このブログを始めるときもそうでした。きっかけを与えてくれる人がいるというのは、未熟な私にとって、とてもありがたいことです。道具は道具です。それを有意義…

想像力と創造力

ユニークな視点と鋭い考察に知的好奇心を刺激される、その更新を楽しみにしていたブログがありました。私がブログを始めるに際してhatenaを選んだのも、その方の影響です。ある記事で評論家の宇野常寛の名前が、それも仕事絡みとして出てきたときには驚きま…