2011-01-01から1年間の記事一覧

縁は奇なるもの

いただいたご縁に感謝しています。今年一年、ありがとうございました。

忘れていないよ

読売新聞にて、両親を失った高校生が三月の大震災の風化を懸念する記事を読みました。敢えて言葉にしないのが美徳という考え方もあるでしょう。「言わなくてもわかるだろう」と。でも、やっぱり、言葉にしないと伝わらないこともあります。私は忘れていませ…

ご挨拶

しばらく、ブログの更新を休むことにします。再開の時期は来年二月頃を考えていますが、どうなるかは自分でもわかりません。では。

自分への叱咤

「逃げずに踏み止まり、見届ける」帚木蓬生の『風花病棟』にある言葉です。男は、ただ黙って“そこ”にいれば良い。

流行りもの

グローバルスタンダードの次はTPPですか。時流に乗り遅れるな、それが世の常識、皆がやっていること。同じセリフの繰り返し。ゲームのルールを作る段階で手を挙げず、それが出来てから参加の是非を問うなど、ナンセンスの極み。苦笑すら浮かびません。今にな…

陰より始めよ

帚木蓬生の本を二冊。『蝿の帝国 軍医たちの黙示録』を新聞で目にした瞬間、「読みたい」ではなく「読まなければいけない」と思いました。太平洋戦争の時代、徴兵された軍医たちを描いた短編集です。『風花病棟』は、「生命の尊厳と日々向き合う“良医たち”の…

拳ひとつ

BOX

左ジャブ/右ストレート=ワン・ツー。繰り出す拳。その射程距離を“拳ひとつ”分だけ伸ばす。わずか数センチの、何と遠いこと。その、指先に触れるか触れないかの一点を、掌に掴むことができるようになってきました。この小さな手応えが、ジムへ赴く原動力にな…

『機動戦士ガンダムF91』

1991年の時点で、既に「頼りになる“大人”がいない社会」を描いていた富野由悠季。その作品の主題歌が謳う命の賛歌。目を閉じて、その歌詞を噛み締めたい曲です。

現状認知

「タフでなければ生きていけない。優しくなれなければ生きている資格がない」byフィリップ・マーロウ「優しさが強さだと云った時、ハードボイルドは死んだ」by船戸与一(でしたよね?)ハードボイルドについて考える者にとって、印象深い言葉です。しかし、…

乱麻

友人を一人、失くしました。自分のことなら我慢します。しかし、親をコケにされてなお平然としていられるほど、私は人間ができていません。彼と、このことについて話したことはありません。おそらく、「そんなつもりはなかった」「そこまで考えていなかった…

そのロジックはおかしい

久し振りに本屋をぶらついたところ、最近亡くなった、ある著名な人物の伝記や関連本のコーナーがありました。特に興味もなく通り過ぎましたが、一冊だけ、ある本のタイトルに引っかかりました。『○○ならこうする』そのロジックはおかしい。「○○“なら”こうす…

ネズミと少女

冲方丁の『マルドゥック・スクランブル<完全版>』を手に取っていて、全三巻の第二巻を読み終えたところです。旧版が発売されてから十年以上。高い評価は知っていましたが、美少女とSFという組み合わせに食指が伸びずにいました。それを、今になって読む気…

絶縁状

女子プロレスのジャッキー佐藤が亡くなった時、ある女子プロレスラーが、大略「不謹慎だが、私が死んでも、このように大きく報道され、多くの人々の関心を集めることはないだろう。あらためて、その偉大さを実感している」と語っていました。その女子プロレ…

UWF幻想

かつて、プロレス団体は、テレビ局からの放映権料が無ければ経営が成り立たないというのが常識でした。それを覆したのが新生UWFでした。あの頃、既存のプロレスに物足りなさを感じていたファンは、新生UWFという新しい刺激の登場に歓喜しました。そして、飢…

格闘技オリンピック

かつての格闘技バブルを基準に大規模な大会を開催しては負債を抱えていくのはナンセンスです。と同時に、個々人が、個々の団体が、既存のファンを繋ぎ止めることに汲々として、結果的に自分たちだけの世界に自閉していく先にあるのはジャンルの消滅です。個…

祭りの後

ドラマの最終回、盛り上がったクライマックスの後。その先に待っているのは、決して描かれることのない日常です。映画は、魅力的な悪役がいてこそ引き締まります。プロレスのリングは、憎々しいほどに強いヒールがいてこそ盛り上がります。複数の人間が団結…

「撃つな」

カダフィが「撃つな」と叫んだというニュースを見て、私は船戸与一の『猛き箱舟』を思い出しました。海外に進出する日本企業が現地で軋轢を生むたびに、それを暴力的手段で解決する隠岐浩蔵。渾名は灰色熊(グリズリー)。日本の経済的繁栄を側面から、汚れ…

秋の夜長

秋の夜長に、ふと立ち止まってみませんか?この曲を、アナタと一緒に聴いてみたい。そんなふうに思いました。

「赤とんぼ」

過日、“イ・ムジチ合奏団”のコンサートに足を運びました。クラシック音楽の楽曲について詳しくもなければ、専門知識もありません。それでも、その演奏に身も心も震えました。リッカルド・ムーティ以来の感動。音楽って素晴らしい。映画『ラスト・エンペラー…

感謝を込めて

九年間の感謝を込めて。※「埋め込みがリクエストにより無効」となっていますが、通常のYouTubeの画面にてご覧いただけます。

お金の話

人間の歴史は、戦争の歴史です。それは領土(土地)の取り合いです。版図の拡大=国力の増大という図式。そして、国力とは、経済的支配力でもあります。“貨幣”と“通貨”の違いを問い、その“通貨”という視点から近現代史を再構築した、浜矩子の『「通貨」を知…

ムゲン地獄

無限、無間、夢幻。本を少し読み、午睡のまどろみへ。幸せな時間。……と思ったら、とんでもない出来事が。いつにも増して眠くて閉じようとする目を無理やり開きながら起き出して、(何故か)掃除機が出しっ放しの廊下を歩きながら、ふと感じる違和感。「あれ…

『荒野へ』

“荒野”といって私が思い出すのは、五木寛之の『青年は荒野をめざす』です。そのイメージを持って手に取った、ジョン・クラカワーの『荒野へ』。裕福な家庭環境を捨てて放浪の旅に出て、極寒のアラスカで衰弱死した若者を扱ったノンフィクションです。『青年…

ホークス優勝に寄せて

「鷹は舞い降りた」との興奮とは裏腹に、フランチャイズを福岡に移した後、ホークスは低迷していました。理由は色々あったでしょうが、要するに弱かったのです。それは“世界の王”を監督に迎えても変わりませんでした。その王貞治監督は、率いるチームが弱小…

ガンダム雑感②

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』がアニメ化されます。作れば売れるのは、誰の目にも明らか。なら、それを作るのは企業として健全な態度です。しかし、“ガンダム”の名を冠した作品が絶えず作られ続けている状況とともに、それはクリエイティビティの貧困…

ガンダム雑感①

ガンダムの生みの親といえば、誰もが富野由悠季を思い浮かべます。その富野由悠季は、アムロとララァの出会いを描いた小説『密会』を書いた際、「将来、ガンダムの原作と呼ばれる作品」とコメントしています。その数年後。『機動戦士ガンダム』が安彦良和に…

正解はないけれど

『マイケル・サンデル 大震災特別講義 私たちはどう生きるのか』は、4月16日にテレビ放送されたものを書籍化したものです。今もまだ予断を許さない状況ですが、今以上に何がどうなっていくのか誰にもわからない緊張が社会を覆っていた時期のやり取りです。サ…

『灰姫 鏡の国のスパイ』

打海文三の『灰姫 鏡の国のスパイ』は、日本、極東ロシア、北朝鮮を扱ったエスピオナージュです。投資環境についてのレポートを商品にする民間調査会社の社員が暴行を受けて死亡します。その背後に北朝鮮の情報機関の存在が疑われ、ロシアのKGBやアメリカのC…

『ビアフラ物語』

本当に厳しい本を読んだ後、感想を書こうとしても手が動きません。フレデリック・フォーサイスの『ビアフラ物語』は、1960年代後半にナイジェリアで起きた独立紛争を綴ったルポルタージュです。そこで、フォーサイスは独立しようとした地域、ビアフラ共和国…

プロ

中日ドラゴンズの落合監督の、シーズン終了後の退任が発表されました。それ相応の結果を出した「勝つことが最大のファンサービス」という落合監督の主義主張と、観客動員数の減少という事実の乖離。しかし、女子サッカーの「なでしこジャパン」が注目された…