2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

母という性(さが)

人は誰でも一作は小説を書けると云います。つまり、家族の物語を。犯罪を扱った小説を書けなくなった(と本人が思った)高村薫が選んだのは、母の物語でした。そして、母親を描くなら、その女性を母親と認識する息子や娘の存在がなくてはいけません。家族と…

出費

BOX

ヘッドギア、ミット打ち用とマスボクシング用の二種類のグローブを購入することに。やはり、同じ道具を他人と一緒に使うのは性に合わない。これまでよりもマスボクシングや軽めのスパーリングを多くこなすようにして、ボクシングというゲームをより楽しみた…

母という女性(ひと)

遠洋漁業の船員の目を通して日本の近現代史を描く、高村薫の『晴子情歌』。そこには、物語の構成として配されたものがあります。三十歳を目前にした船員の息子への“母親からの手紙”です。高村薫が『晴子情歌』を上梓したとき、それまでの作品とがらっと変わ…

報道の死

「特定秘密保護法案」において、知る権利、報道の自由に配慮する旨の文言が付記されるとのことですが、これほど馬鹿らしいことはありません。その法律が実際に運用されるに際して、運用する側が自分たちの意に沿わないことに譲歩するわけがありません。その…

感傷

『わたしが・棄てた・女』の森田ミツの他者への悲しみの共感は、著者が書いているように同情や憐憫、つまり感傷ではありません。その感傷を描いて世評が高いのがレイモンド・チャンドラーです。その作品の主人公、フィリップ・マーロウは傍観者であり観察者…

愛とは

「愛は惜しみなく与う」と云います。その“愛”をたった二人の友人にだけ与え、その後に自らの命を絶ったのが、村上春樹の『ノルウェイの森』の主人公の友人のキズキでした。親の、子に対する無償の愛。それはキズキのように消え去ることすら自分に許さないも…

そうありたい

「良い刀は鞘に入っているもの」なら、「頭が良い人は黙っている」のだろう。言葉を大切にしたい。

家族の第9巻

私は、他人の期待は裏切ってもかまわないと思っています。しかし、気持ちを裏切ってはいけません。「大事な人って誰ですか?」この漫画を読むと、自分が(生きているのではなく)生かされているのだという真実をあらためて思い知らされます。3月のライオン 9…