2013-10-12から1日間の記事一覧

感傷

『わたしが・棄てた・女』の森田ミツの他者への悲しみの共感は、著者が書いているように同情や憐憫、つまり感傷ではありません。その感傷を描いて世評が高いのがレイモンド・チャンドラーです。その作品の主人公、フィリップ・マーロウは傍観者であり観察者…

愛とは

「愛は惜しみなく与う」と云います。その“愛”をたった二人の友人にだけ与え、その後に自らの命を絶ったのが、村上春樹の『ノルウェイの森』の主人公の友人のキズキでした。親の、子に対する無償の愛。それはキズキのように消え去ることすら自分に許さないも…