2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『残夢の骸』

外見や形ばかり取り繕っても、内実が伴わなければ、組織であれ個人であれ、誰からも相手にされません。「満州を丸ごと描く」ことをコンセプトに綴られた“満州国演義”シリーズ。しかし、物語の後半、太平洋戦争が始まり、戦線が南方に拡大していく中で、満州…

献杯

埴谷雄高が『死霊』で言っているように、「自分とは何か」ではなく「何を以って自分とするのか」を己に問うとき、「船戸与一を読んでいる」ということは、わたしの誇りです。訃報を目にして、遺作になってしまった『残夢の骸』を手に取るのではなく、まさに…

無知の知

わたしたちは「知りたい」と思っているでしょうか。わたしたちは「知ろう」と努力しているでしょうか。そして、「自分なりに考えよう」としているでしょうか。日本戦後史論作者: 内田樹,白井聡出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2015/02/28メディア: 単行本…

『槐』

自分が見聞きするものだけが世界のすべてではありません。自分の常識が世界の基準ではありません。そして、世界は地続きです。その混沌こそ、人の世。読み終えて、レイモンド・チャンドラーがフィリップ・マーロウに言わせたセリフ、「強くなければ生きられ…

久しぶりの

逢坂剛の『断裂回廊』を読みました。二重の意味で久しぶりです。この作家は『百舌の叫ぶ夜』を読んで、「こんなにストレートに読む楽しさを味わえる読書もあるのか」と感激して、文庫化されたものを買い漁り、それに飽き足らずハードカバーの単行本も買い揃…

急転直下

順調に育っていると思っていた大根……、駄目でした。葉の部分が大きくなっていましたが、土の中の身の方が細く小さい状態でした。追肥が足りなかったのか、土の状態が良くなかったのか。きちんと育てられなかったことに、残念に思う以上に申し訳ない気持ちで…

近況

ずっと調子の悪かった自宅のパソコンが動かなくなりました。ウィンドウズが起動すらしない状態です。近日中に買い換える予定でいます。そのため、ブログの更新はお休み中です。