2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

裁判員制度

多くの問題を孕みつつ始まった裁判員制度。報道は、施行されてしまえば“始まったものはしようがない”と言わんばかり、“より良いものにすべく頑張ろう”という、大変ご立派な態度一色です。書店でも裁判員制度を滞りなく推し進めるための書籍が平積みにされて…

たった一人のヒト

私にはたった一人、「腕一本をくれ」と言われたら、何故と訊かずに黙って自分の腕を差し出せるヒトがいます。そう言えるのはどうしてか。 それは、そのヒトが決してそう言ってこないとわかっているからです。私の腕という犠牲の上に我が身の安全を得るくらい…

行動原理

“世間”とは何でしょうか? 世間に迷惑をかけたことをお詫びする。世間を騒がせたことを反省している。それは誰に対しての言葉なのでしょうか。不特定多数を想定することは、逆に誰にも目を向けていないことなのではないでしょうか。村上春樹の『ノルウェイの…

『太陽を曳く馬』

ジャーナリストの立花隆は著書の『同時代を撃つⅠ 情報ウォッチング』(講談社文庫)の中で、若者の活字離れについて書いています。 ある銀行が新入社員に「あなたは文字志向か、映像志向か」と訊いたところ、八割が「自分は映像志向である」と答えたそうです…

ircle

素敵な縁があって、ircleというバンドのCD、『未来』と『TINA』を手にしました。「青春時代の真ん中は、道に迷っているばかり」と書いたのは、作詞家の阿久悠でした。自身の二十歳の頃を振り返ると、世界は陰影の無い灰色でした。彼らはおそらく知っています…

大人と子ども

「あなたの生きがいは?」と訊かれて、「子どもの成長です」と答えるすべての親に訊きたいことがあります。それは“愛”ではなく“依存”ではないのですか?ここ数年、ずっと考えていて答えが出ません。

胸締め付けられるCM

近所でお祭りがありました。 半被や浴衣を着た小さな男の子と女の子。歩く姿も飛び跳ねるようで、きらきらと輝いた顔から、ただただ現在(いま)に没頭し楽しんでいる喜びが伝わってきました。 華やかな浴衣やそれぞれの衣装で着飾った十代の男女。ちょっと…

ワンマン・アーミー 続:大藪春彦

私は独りだ。それを受け入れよう。 あなたは独りだ。そこから始めよう。愛していると言う。そう感じているなら、それはあなたにとって真実だろう。しかし、あなたがそう考えているのと同じだけ、その相手は愛されていると感じているのだろうか。もし答えがイ…

節操が無い世の中

カテゴライズすることで事象を位置づけるという側面はあります。部屋の片付け、模様替えでしょうか。マーケティングといえば論理的に聞こえもしますが、要するに商売に結びつけるということです。それはわかりますが、それでも。“誰もが特別なオンリーワン”…

UWF

この三文字を目にすると、平常心でいられません。 この曲を耳にすると、居ても立ってもいられません。UWFを“運動体”と読んだのは夢枕獏でした。団体ができた経緯がどうであれ、UWFは理想を持った若者の行動でした。ある理想が、目の前で現在進行形で具現化さ…

芸術の価値

ビル・エモット。経済紙「エコノミスト」の編集長を務め、著書の『日はまた沈む』で日本のバブル経済の破綻を予言したとして有名です。数年前の著書『日はまた昇る』は日本経済の復興を予言したという、今考えると多分に願望を込めたキャッチフレーズがつい…