ircle
素敵な縁があって、ircleというバンドのCD、『未来』と『TINA』を手にしました。
「青春時代の真ん中は、道に迷っているばかり」と書いたのは、作詞家の阿久悠でした。自身の二十歳の頃を振り返ると、世界は陰影の無い灰色でした。
彼らはおそらく知っています。承知したうえで音楽に向き合っています。
ロバート・マキャモンという作家に『少年時代』という作品があります。ある掲示板のトピックに、こんな感想を書きました。
「人が成長するとは“何か”を捨てることなのか。私は断じて否と言いたい。それは心の片隅にしまってあるだけなのだ。」
ircleの曲はそれをちくちくと刺激してきます。あなたは何をもたもたしているんだ、立ち止まっている暇は無いだろうと迫ってきます。それはちくりと痛くて、そして心地好い刺激です。
仕事の後、ボクシングジムに向かう車の中で聴いています。
年上ぶって“見守ろう”なんて気持ちは毛頭ありません。
私は彼らのファンです。