2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ヤジも言葉

ヤジも言葉です。ヤジを飛ばしたという現象だけにとらわれていては、本質を見誤ります。ヤジを飛ばすという行為は、安倍晋三首相の人間的未成熟、彼の愚かさを表しているのであり、それは彼の個人的資質の問題に止まります。それは政治とは別の話です。そこ…

『南極風』

真摯に生きるためには強くなければいけません。では、その強さはどこから来るのでしょうか。それはきっと、自分の弱さを知ることです。敵を知り己を知れば、百戦して危うからず。弱さを知ることとは、虚勢を排することです。そして、削ぎ落とせるものを削ぎ…

人に歴史あり

読書が食事などと同じレベルで日常に存在する生活を送っていると、本が向こうから会いに来てくれたように思えることがあります。小池真理子の『沈黙のひと』です。彼女の著作は『恋』しか読んでいませんでしたし、文庫になってから手に取ったのですから偉そ…

与えられた玩具

日本国憲法がアメリカから押し付けられたものか云々という議論は、不毛を通り越して無意味です。敗戦国に、新たに自前の憲法を作る権利も能力もありません。アメリカの主導で作られたのは事実でしょう。しかし、肝心なことを見落としてはいけません。戦後統…

『ザ・ドロップ』

心優しいということは、この欲望の渦巻く世界で生きるとき、美徳ではないのでしょうか。そんな世の片隅でひっそりと静かに暮らしたいと望むのは、過ぎたことなのでしょうか。誰もが幸せになりたいと願っています。ただ、その中身が人それぞれに違っているだ…

四重奏

日本が再び戦争をする国になるかが問われています。そのロジックは、アメリカの戦争に“協力する”か“巻き込まれる”かです。しかし、わたしの想像ですが、アメリカ人の大多数は、自分たちが戦争をしているとは考えていないのではないでしょうか。それは、あく…

無駄なんてない

『コロヨシ!!』の高校生たちが熱中した部活動。それは“掃除”です。もちろん、わたしたちが日常的に行っている掃除とは違います。この“掃除”は、ある理由から高校生の三年間しか行うことが許されていません。高校を卒業すると同時に止めることになり、大学へ…

糧として

「成長する」とは、如何なる姿を指すのでしょうか。高校生の成長を描いた小説ですから、それに資する人物が主人公の前に現れ、その出会いによって物語がさらに高みへと進んでいくのは当然です。その一つひとつのエピソードが、クリアすべきステージのような…

土いじり

順調に育った絹さや。その姿を見たときの喜びは言葉にできません。「(素人のわたしの手で)よくぞ、ここまで」その一つひとつに触れて、その生命力、大地の恵みに想いを馳せました。さっそく、良い具合の大きさのものをもぎり、いざ食卓へ。調味料をつけず…

読む快楽

まず、冒頭の献辞に「大藪春彦」の名前があり、驚くと同時に嬉しくなりました。「人間は言葉によってのみ真に思考する」(by立花隆)なら、言葉によって構築された世界に遊ぶのは根源的な喜びです。わたしが「何を書くのかと同時に、如何に書くのかも大切」…