読む快楽
まず、冒頭の献辞に「大藪春彦」の名前があり、驚くと同時に嬉しくなりました。
「人間は言葉によってのみ真に思考する」(by立花隆)なら、言葉によって構築された世界に遊ぶのは根源的な喜びです。
わたしが「何を書くのかと同時に、如何に書くのかも大切」と思うのも、その故です。
選び抜かれた言葉によって描かれた“活劇小説”。
文体が小説世界を作るのか、小説世界が文体を要求するのか。
この小説を読むのは“遊び”です。それも、とても贅沢な。
- 作者: 矢作俊彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/01/28
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る