胸締め付けられるCM

近所でお祭りがありました。
半被や浴衣を着た小さな男の子と女の子。歩く姿も飛び跳ねるようで、きらきらと輝いた顔から、ただただ現在(いま)に没頭し楽しんでいる喜びが伝わってきました。
華やかな浴衣やそれぞれの衣装で着飾った十代の男女。ちょっとした非日常の時間と空間を少し照れながら満喫していました。

このCMも、人間の年齢に例えれば、ちょうどこの時期に当たるのかもしれません。その後のこの国の移り変わりを知ってしまっているだけに、懐かしさとともに切なさがこみ上げてきます。

彼ら彼女らに理不尽な悪意や暴力が襲い掛かり、このお祭りで見せた笑顔が曇り、無力感に涙を流すことがありませんように。同時に、成長するために必要な壁や困難はあって欲しいですし、それらを一つ乗り越えた時の感動を、いつになっても体験して欲しいと願います。

しかしながら、この世の中は悪意と理不尽に満ち満ちています。願わくは、それらを跳ね返せる強さを身に付けてくれますように。さらに願わくは、その時支えてくれる誰かが傍にいてくれますように。

漫画「ドラえもん」の「のび太結婚前夜」で、結婚式を翌日に控えたしずちゃんに、お父さんが言います。

のび太くんを信じなさい。あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。かれなら、まちがいなくきみをしあわせにしてくれるとぼくは信じているよ。」

あのちびちゃんたちがどんな大人に成長するか。それは現在の大人、私たちの責任です。