お金の話

人間の歴史は、戦争の歴史です。それは領土(土地)の取り合いです。版図の拡大=国力の増大という図式。そして、国力とは、経済的支配力でもあります。

“貨幣”と“通貨”の違いを問い、その“通貨”という視点から近現代史を再構築した、浜矩子の『「通貨」を知れば世界が読める』は、人間同士の争いとともに、人間と、その人間が作り出したシステムの戦いを描いています。

現在、アメリカで、ウォール街の在り方についての疑問に端を発した大規模なデモが起きています。

では、それらの金融システムは、どのような文脈で生まれ、結果としてモンスターに成長してしまったのでしょうか。

世界が、今まで私が見てきたものとは異なる相を持って立ち現れる、新鮮な刺激。ワーグナーの「ニューベルングの指輪」と絡めた説明もわかりやすく、カバー裏に書かれた「面白くて読む手が止まらない『通貨』を巡る壮大な大河ドラマ!」という惹句のとおりの読み応え。

知ることは楽しい。

「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)

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