『死角』
今年の最初の一冊。マイクル・コナリーの『死角 オーバールック』を読みました。
ハリウッドの展望台で起きた殺人事件。その被害者は、妻を人質にされて、病院から放射性物質を持ち出した模様。テロの可能性があり、FBIが捜査に乗り出してきます。
ロサンゼルス市警の刑事として、あくまで“殺人犯”を追おうとするハリー・ボッシュ。それに対して、放射性物質を取り戻すことを最優先にするFBI。ロス市警とFBIは縄張りや捜査の主導権を争って、双方がともに相手に不信感を抱いています。それに頑固一徹なボッシュを加えて、またしても物語はうねりを増していきます。
事件の発生から終結まで十二時間。疾走感の溢れるきびきびした展開は、ページを繰る手を止めさせません。しかしながら、描写は丁寧で、バタバタした印象はありません。ハンディカメラで、絶えずボッシュの肩越しに、彼と同じものを見ているような臨場感に、テンションも上がったまま、最後まで一気に読み進めました。
例によって、内容については触れません。
- 作者: マイクル・コナリー,古沢嘉通
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/15
- メディア: 文庫
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