個人的読書の作法

私は本を買った時、必ずその書店のカバーをつけてもらいます。それは、環境的に人前で本を読むことがなく、何を読んでいるか他人に知られたくないという理由からではありません。

そのカバーをつけたまま、本棚に並べます。そうすることで、まず購入したことに満足感を覚えます。そして何より、まだ読んでいない本が一目瞭然になり、絶えず視界に入ることになります。所謂“積読”です。

そして、読み終えた本は邪魔なカバーを脱ぎ捨てて、あるべき場所にあるべき姿で収まります。これが気持ち良い。シリーズものを読破した時など、本棚の前で一人にたにたしています。変態です。

私は、「これは気合をいれて読むぞ」という作品を立て続けに読む時は、必ずその間にエッセイや軽い読み応えの作品を挟みます。それを緩衝材とすることで、強烈な印象をもたらした作品の余韻を冷ますのです。

例えば今回、高村薫の『レディ・ジョーカー』を読みました。そして、本棚では(読む順番は決めていませんが)マイクル・コナリーの『エコー・パーク』とジョン・ハートの『ラスト・チャイルド』が控えています。そこで、高村薫の『閑人生生』という時事評論集を手に取っています。

そんな私の読書です。