格闘って何?
よく見かける言葉。当ブログでも使っていますが、書くたびに喉に引っかかった小骨のように飲み込めないでいる言葉があります。
“格闘家”
○○家という言葉はたくさんあります。空手、柔道、剣道、その他。カテゴライズすれば、“武道家”です。
ボクシングはボクサー、レスリングはレスラー。こちらは英語圏で生まれた競技です。
厳密に考えると、“格闘”という競技があることになります。しかし、そのような競技はありません。○○家と名乗るなら、“総合格闘技家”です。或いは、MMA選手。
格闘家という言葉には、足場の不安定な曖昧さを感じます。あまりにもざっくばらんで、かえって正体が見えません。上に書いた武道及び競技の選手は、“格闘家”とは名乗らないでしょう。
以前書いた、吉田秀彦の引退に関する記事も、この文脈にあります。彼はどこまでも“柔道家”でした。引退といっても、柔道家が総合格闘技のリングに上がることを止めただけで、彼は今も柔道家です。実質的には、引退などしていません。
ちょっと考えて安易な正解にたどり着くことができない格闘技が、私は大好きです。