敗れざる者

K-1におけるアンディ・フグの軌跡は、敗戦の歴史です。

グランプリの優勝候補といわれながらパトリック・スミスに敗れ、今度こそといわれながらマイク・ベルナルドに敗れ……。

ピーター・アーツに左右の連続のハイキックで倒され、フランシスコ・フィリオに一撃で沈められ……。

それでも立ち上がってリングに上がり続けたのがアンディ・フグでした。

リベンジもしました。グランプリで優勝もしました。しかし、私の中で、アンディ・フグは、そのような結果ではなく、倒れても立ち上がる、その不屈の闘志によって強く刻印されています。

K-1におけるアンディ・フグの歩みは、PRIDEにおけるミルコ・クロコップのそれと重なります。ノゲイラ戦、ランデルマン戦、ヒョードル戦。ミルコは大切な試合を落としては、そこから這い上がりました。

これらの負け試合を以って、フグとミルコを敗者と呼ぶ人はいないでしょう。

ならば、五味隆典よ、青木真也よ。次は君たちの番だ。