コナリー推進キャンペーン3

ここで最初に書いた“シーズン”の話に戻ります。

ハリー・ボッシュ登場から、母親の死による心の傷を克服するに至る、

『ナイトホークス』/『ブラック・アイス』/『ブラック・ハート』/『ラスト・コヨーテ』

この四作品を<1st.シーズン>と呼ぶことができます。

ここまで書いておいて何ですが、デビュー作として、同じようにまとめて一気読みをしたフレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』、あるいはA・J・クィネルの『燃える男』と比較すると、『ナイトホークス』は完成度が低いと言いますか、こなれていないという印象がありました。しかし、第二作以降を読み進めていく中で、そんなことも気にならない、読み応えのある素晴らしいシリーズであることが実感できました。

少しでも多くの人に読んで欲しいシリーズです。長すぎて躊躇われるという方は、この1st.シーズンの四作品だけでも手に取って欲しいと切に願います。エンターテインメントに求められる要素がすべてつまった、ミステリー好きなら決して後悔しないシリーズです。

ここで注意して欲しいのが、必ず刊行順に読むということです。それぞれの作品は個別に完結していますが、同時に時系列に沿って繋がり、過去の作品の展開を受けてボッシュの立ち位置や心の在り様が変化するからです。

個別の作品の内容には敢えて触れません。コナリー作品はほんの僅かでも予備知識が無い方がより楽しめますので。

騙されたと思って、さあ!

ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)

ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)