ウソの話

池田清彦の『この世はウソでできている』は、ある政治家が「要は金目の話でしょう」と言ったように、世に溢れる言説が利権と企業の営利活動と結びついているという身も蓋もない話が目白押しの本です。

規制や法律が税金を動かし、そこに利権が生まれます。最近のトレンドは「健康」と「環境」。

そのためのウソがまかり通っているので、個人の判断と選択を重視する社会、生き方にシフトすべきとのこと。

つまり、リバタニアニズムです。

しかし、企業は利益を追求することを第一義とします。つまり、儲からなければ手を引くのです。

そこは個人の努力で頑張れと言われても、一人の人間に出来ることには限界があり、他者との協力は不可欠です。だからといって共同体を作れば、別の規制やルールが必要になります。

いずれにしても、(自由主義と言いながら)自由など無いのです。

すべてに頷けるということはありませんが、眉唾とも思いません。まあ、話半分というところです。

ちなみに、資本主義が「格差」と「分業」を必要とし、その結果、消費者が「自己家畜化」するという話は興味深く読みました。