二人の戦い方

機動戦士Ζガンダム』の最後、カミーユ・ビダンはパプティマス・シロッコを糾弾します。「戦争を遊びにしている」と。そして、身体ごとぶつかっていったカミーユは、シロッコを倒したものの、心が壊れてしまいます。

時を経て、『∀ガンダム』での物語後半。「眠っていた闘争本能の目覚め」を唱えるギム・ギンガナムと彼の部下たちは、その言葉どおり傍若無人に暴れ回ります。科学技術において劣勢にある地球の人々は逃げ惑うばかり。

その中で、月から移住したムーンレイスの一人、キースは自問自答します。「どうすりゃ良いんだ。戦いが生き甲斐の奴らに対して、オレは何の力も持っちゃいない」と。

葛藤の末、月の女王ディアナ・ソレルと言葉を交わした彼は、パン屋としてパンを焼き続けるという戦い方もあると思い至ります。

この二つのエピソードが問いかける命題は、現在のわたしたちにとって切実です。