就職活動を「就活(シューカツ)」と略して言うようになったとき、若者たちが、利益を求める企業の標的になったことに、どれだけの人が気付いているでしょうか。

企業は知恵を絞って商品を作ります。正確には、企業は商品を作っているのではありません。「正しい就活はこうあるべき」「より良い就活に不可欠」という幻想を作っているのです。

そして、学生たちは「それを手に入れなければならない」と群がります。そこに浮かび上がる、雇う者と雇われる者の力関係のコントラスト。

世には「貧困ビジネス」という言葉があります。私は、これを「弱者ビジネス」と呼びたい。新たなマーケットの創出というにはあまりに寒々しい光景です。