『武士道エイティーン』

誉田哲也の『武士道エイティーン』は、思春期の心の揺れを描きながら、その読後感は爽やかです。それは、描かれる少女たちが、誰一人として“できない言い訳”を探していないからです。

大切なヒトがいます。しかし、そのヒトのために何かをしてあげようなどという発想はありません。自分がいかに頑張るか。それだけです。それが、その姿が、(大切なヒトであるところの)他者にエネルギーを与えるのです。お互いに。

「嗚呼、このコたちの成長する姿をずっと見ていたい」

武士道シックスティーン』『武士道セブンティーン』に続く完結編。本当に愛おしい作品たちです。

武士道エイティーン (文春文庫)

武士道エイティーン (文春文庫)