理念は後回し

業界団体と結びつき、数を振りかざす巨大与党と、それに太刀打ちできない野党の群れ。

昭和の政治風景と何ら変わらない構図。移籍が繰り返され、選手が着るユニフォームが変わっただけです。

ひと頃叫ばれていた「二大政党制」という言葉がまったく聞かれなくなりました。表層的な言葉を用意して、見せかけのブームを作る。“〇〇男子・女子”と同じ構図です。要は商売。

まずは数=権力。それが無ければ理念を実践できない。それは理屈としてわかりますが、最低限の品性は持ち合わせていただきたい。選挙期間の顔つきと、当選して国会議員となってからの顔つきが違うのは恥ずかしいことです。

政策の中身が伴わず、その表層の形だけ整えて「公約を守りました」というのは、カレル・ヴァン・ウォルフレンが言う“アカウンタビリティ”の放棄です。

新聞を読んでいると、米国でも欧州でも、あるいはその他の国々でも、つまりは世界中で政治がすったもんだを繰り返している様子が伝わってきます。

何も変わっていない。この感慨が次の選挙でどう作用するのか。政治家とともに、有権者も戦々恐々とする事態です。