突然変異

「海保のビデオ、私は公開しない方が良いと思います。というのも、中国が自国の中で、自分たちは被害者で日本が悪いという世論を強固にすればするほど、いざ、日本がビデオを国際司法裁判所や、他の国際機関に提出した時、面目丸潰れでダメージが大きくなります。その段階に至って、ビデオの内容を否定したら、それは日本だけでなく、ビデオの正当性を認めた国際社会をも批判することになります。伝家の宝刀は抜かないことで武器になります。
早い段階で、ビデオを中国政府の高官に内密で見せておいて、その事実を証拠として残しておくと、なおベターです。いやらしい発想で、良いでしょう?」

これは、私がある方のブログのコメント欄に書いた文章です。日付は10月21日。

報道されている通り、海上保安庁の航海士が独断で映像を公開したのなら、それは義憤と呼ぶにはあまりに幼い、と言わざるを得ません。ナイーブに過ぎます。

生物は、その進化の階梯を少しずつ上るのではなく、ある時ある瞬間に突然変異が起き、一気に次のステージに進む、と何か(おそらく立花隆の著書)で読んだことがあります。

今回の映像流出事件は、不測の出来事という、状況における突然変異です。その結果として、キマイラ(キメラ)を生んではいけません。