Dynamite!!

晦日の恒例、Dynamite!!に出場したいとアピールする選手が多くいます。例年に無い光景です。

いつの間に、Dynamite!!がそれほどのブランドになったのだろうといぶかしんでいましたが、そうではないと気付きました。逆です。他に“場”が無いのです。

テレビ向けコンテンツと考えた時、実は、勝負は放送が始まる前までです。たまたまリモコンをいじっている時に格闘技を見て、そこでチャンネルを固定して最後まで見続けてくれる人など、皆無とは言わないまでも、少数でしょう。あらかじめ、「大晦日Dynamite!!を見よう」と思わせられるかが勝負です。当日のリングでの闘いも大切ですが、それ以上に、前日までのパブリシティが重要です。

見ず知らずの他人に、興味を持ってもらえるか。自分が闘う姿を見たいと思わせられるか。ただ、選手が頑張って闘っても、それだけでは不十分どころか、単なる自慰行為に過ぎないのです。リング上での勝った負けたも厳しいものですが、それ以上に過酷な勝負をしなくてはいけない自覚があるなら、「大晦日Dynamite!!に出たいので、谷川プロデューサー、よろしくお願いします」などと言ってられないはずです。もうちょっと違う面構えになっているはずです。

魔裟斗が、好き嫌いはあるにせよ、魅力的だったのは、ジャンルを背負う気概があったからです。「自分が変える。他の誰でもない、自分がやらなくて誰がやる」という志の高さがあったからです。

Dynamite!!出場選手という言い方が、肩書きとして通用するとは思えません。箔がつくとは思えません。

ちいっと、能天気に過ぎませんか?