月の輪
密教には「月輪(がちりん)観」という瞑想法があります。
それは、胸の中に月の球をイメージし、それをまず上半身を包むくらい、次に体全体、道場一杯、家、町、日本、世界全体というように大きくしていき、最後は宇宙が球の中に入っているというところまで広げる「広観」と、それを元の状態に戻していく「斂観」から成っています。(『密教のすべて』花山勝友・監修、PHP研究所・編より)
この「月輪観」は、呼吸を整える「数息(すそく)観」と密接に結びついています。
人間が、その日常の中で最も無意識にしている行為が、呼吸でしょう。それを意識の制御下に置こうとするのは、“意志の働き”以外の何ものでもありません。
その“意志”によって自分をコントロールできなくて、どうして他人をコントロールできるでしょう。
そして、素人考えで恐縮ですが、レスリングのタックルとは、自分の球を保ちつつ、相手の球の中に飛び込んでいく行為だろうと愚考します。
shingol氏が主宰するレスリング道場「マイブレス」は、勝利至上主義とは無縁の、より厳しい強さを追求しています。それは、単に試合に勝つことよりも、ちと難しい。
僭越ながら、飲食部メンバーに名を連ね、その影響を受けている我が身の幸運に感謝しつつ、明日もボクシングジムに行くとしますか。