2013-01-01から1年間の記事一覧

正義の行方

NHKのドラマ『七つの会議』を視ています。毎週、決まった時間にテレビの前に座るのは、ドラマ『のだめカンタービレ』以来のこと。役者とは何か、演じるとは如何なることか。その迫力に圧倒されながら、固唾を飲んで見入っています。組織の中で生きる者の息苦…

家族小説

他人とは、その距離を調節することができます。しかし、そうできないモノがあります。“家族”です。それは、どんなに否定しても、その関係が消え去ることも、なかったことにすることもできません。それが自分に力を与えてくれる誇れるものなら幸せですが、も…

現状認知

先日、通っているボクシングジムでのこと。ある練習生に「田村潔司に似ているね」と言ったところ、「それ、誰ですか。ボクサーですか?」と返されました。時間の流れを実感するとともに、現在、格闘技がマイナーな存在であることを痛感しました。

作家性

アニメ『ルパン三世』で、主人公のルパン三世の声を担当していた故山田康雄は、声優という言葉、職業を否定していました。自分(たち)は役者であると。富野由悠季は、アニメの制作に携わる人たちがアニメ以外の芸術作品に触れることの大切さを説きます。そ…

記憶

袖振り合うも他生の縁。記憶が人を作るなら、ささやかな出会いも、どこかで血肉になっているのでしょう。片田舎で、私も私の日常を頑張っています。

映像で語るということ

良い映画には、「映画を観るより原作の小説を読んだ方が何倍も面白い」という言葉は当て嵌まりません。作家という点では、小説家も映画監督も同じです。その一例。ベタですが。

暑中お見舞い

暑中お見舞い申し上げます。暑くて熱い、良い夏にしましょう。

プロレスほど素敵な商売はないか

分裂劇はプロレスに欠かせない風景。そして、「理想のプロレス」を目指し、異なるものを排除した結果、団体の数は増え、各団体のリングでは、純粋培養された(戦いではなく)約束ごとを遵守したムーヴが繰り広げられることになりました。業界の最大手とされ…

踵を浮かせる

BOX

シャドーボクシングをするとき、踵を、前足の左足は紙一枚分、後足の右足は数センチ浮かせて動きます。それに膝の溜め(膝を曲げて重心を落とします)を加えて、下半身のバネが生まれます。そうすることで、第一に素早いステップを踏むことが可能になります…

予定は未定で決定ではない

投票日の二週間前にして、既に「自民党が圧勝、過半数の議席を確保するのは確実」という記事が新聞の一面をかざっています。「何だ、自分の与り知らないところで情勢は決しているのか。私が投票するまでもなく結果はあらかじめ決まっているのか」という予断…

答案用紙の×印

参議院議員選挙を目前に控え、衆議院と参議院の議席数のねじれ状態の解消が急務であるという趣旨の報道があります。まるで「間違いを正せ」と言っているような。ねじれ状態は、六年前と三年前の選挙の結果です。それを諸悪の根源であるかのように否定するの…

たしなみ

わたしは、その幸せを手にする資格がありません。何故なら、そのための努力をしていないから。周囲の人たちは、「オマエは充分にやっている」と言ってくれますが、何もしていない自分を再確認するだけです。森瑤子の小説では、道ならぬ恋に落ちた男女が登場…

人間に必要なもの

「修練と勇気。それ以外はゴミ」byマリア・カラス

遺す

原理原則から云えば、金融は実体経済を支えるものです。しかし、現実には立場が逆転しています。金融市場は規模において実体経済をはるかに凌駕し、日々のニュースを見聞きしていると、金融市場が主、実体経済が従という関係にしか見えません。それが歪であ…

それは違うだろう

「禅の教えによれば、このような態度、物腰で他人と接するのが正しい」という趣旨の本を、本屋の売れ筋の本を平積みしたコーナーで、あるいは新聞の広告欄で見ました。「それは違うだろう」と思いました。そのような固定観念、決まりごとの押し付けを拒否し…

限定正社員

小幡績は、著書『リフレはヤバい』の中で、大略「株や他の資産の売買においては、買うときよりも売るときの方が難しい」と書いています。何かを売りたいと思っても、それを買いたいと思う相手がいなければ売ることができないからです。雇用の流動性を高める…

不自然

私がアベノミクスに懐疑的なのは、それが不自然だからです。人為的な力を与えられたものは、その復元力によって元に戻ろうとします。そして、人間は古来、自然を征服できたことは一度もありません。為替、株価、国債の利率。その乱高下を見ていると、日本の…

私の好きな作家:三崎亜記

『となり町戦争』でデビューした三崎亜記は、独特の物語世界を紡いでいます。何でもない日常の中に奇抜な出来事や現象が横たわっています。しかし、それは、読者にとっては不自然でナンセンスなことであっても、物語世界の住人たちにとっては疑うという発想…

ただ読みたい

読みたい本がたくさんあります。読み返したい本もたくさんあります。しかし、働かないと新しい本を買えませんし、読書のための環境も作れません。そして、読書が心を豊かにしてくれると同時に、実社会での経験が読書をより充実したものにしてくれますから、…

私は静かに暮らしたい

私は、あくまで基本的にですが、声を荒げたり怒鳴ったりしません。大きな声を出すと疲れます。組織において、それは「指導している」「オマエのために言ってやっている」というセリフとともにまかり通っています。そう言う人たちの年齢から、それが昭和の企…

夜、眠くなって寝るというのは幸せなことです。それを妨げる様々な条件が“ない”のですから。世に言う「寝てない自慢」が顰蹙をかうのは、その裏返しなのだと思います。快食、快眠、快便。

主導権

BOX

自分が主導権を握って動く場合と、そうでない場合では、同じ三分間でも疲労度が違います。先手必勝という言葉があります。これは、将棋において先手が圧倒的に有利であることから生まれたものです。その将棋における先手の第一手が、ボクシングにおいては左…

『夜に生きる』

その上質な手触りのタペストリーに描かれるのは、血と暴力と、愛の物語。無数の糸が織り成すのは、人の世の希望か絶望か。デニス・ルヘインの『夜に生きる』は、禁酒法下のアメリカを舞台に、一人の若者の成長を描きます。酔うことも許されない社会で、心を…

玄侑宗久の『禅的生活』が書かれたのは東日本大震災の前。では、著者は、この惨禍を目にした後で同じことが言えるのだろうかと挑むような気持ちで読みました。その間ずっと頭にあったのが、良寛和尚の「災難にあうときは災難にあうがよく候、死ぬときは死ぬ…

憲法記念日

現在の日本国憲法を作ったのは誰かという、議論とは云えない議論はずっとあります。GHQの下で作られたという状況から、アメリカの意思を多分に含んだものであり、押し付けられたものとする人もいれば、その作業には多くの日本人が携わっており、彼らの意見も…

東京五輪はあり得ない

柔道の女子日本代表チームの、パワーハラスメントの側面を持つ虐待問題(あえて暴力問題とは言いません)は、柔道だけではなく、他の競技も含めた日本のスポーツの在り方に対する問題提起であり、それだけでも五輪誘致にはマイナス要素です。そして、それに…

公案

日本の仏教は「葬式仏教」と揶揄されます。自分の家の宗派も知らず、お寺と関わるのは葬式や法事のときだけとなれば、そもそも「仏教とは何ぞや」という疑問も関心も持ちようがありません。「禅」について書かれた本を読む場合には、その「仏教とは何ぞや」…

天邪鬼

村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が売れに売れています。売れるものと売れないものの二極化と云われますが、短期間で一気に売れる、その様子を眺めながら、同じ村上春樹の『ノルウェイの森』の一場面を思い出しました。それは、…

螺旋

この動画を初めて見たとき、友人との会話を思い出しました。「視点の問題として、地球を中心に、その周囲を太陽を含む多くの惑星が動いているモデルも成立するのではないか」「とても複雑な動きになるだろうけれど、それも“あり”だろうね」太陽もまた、決し…

手応え

BOX

相手に「目の前から消えた」と言わしめた、あのバックステップを忘れるな。おおとも! あの感覚、この身体に残っているさ。