家族小説
他人とは、その距離を調節することができます。しかし、そうできないモノがあります。“家族”です。それは、どんなに否定しても、その関係が消え去ることも、なかったことにすることもできません。それが自分に力を与えてくれる誇れるものなら幸せですが、もしそうではなかったら……。
“ジョー・ピケット”シリーズ最新作『フリーファイア』で、主人公のジョーは、記憶から消し去ったつもりでいた、家族を(自分を)捨てた軽蔑する父親と再会して心が乱れ、彼が自分と間違われて暴行を受けたことに動揺します。
他人であれば、そのようなことはありません。
愛する家族のために頑張る。それは至極真っ当です。しかし、愛していなくても、自分では愛していないと思っていても、家族は自分の人生の一部であり、その存在は心に対する影響力を持っています。
家族の絆を描いてきた“現代の西部劇”が、より深みを増し始めました。
- 作者: シー.ジェイ・ボックス,野口百合子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/06/14
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (12件) を見る