限定正社員

小幡績は、著書『リフレはヤバい』の中で、大略「株や他の資産の売買においては、買うときよりも売るときの方が難しい」と書いています。何かを売りたいと思っても、それを買いたいと思う相手がいなければ売ることができないからです。

雇用の流動性を高めるといえば何やら聞こえは良いですが、要は雇う側の都合によって人件費の調整をしやすくするというだけのことでしょう。

成長が見込まれる分野に人材が移るようにといいますが、“辞めさせられる”人間の数を上回る受け皿があって初めて語れるビジョンです。

政治家や企業経営者には、その産業とは何なのかということをセットにして語っていただきたい。

それをせず、買い手がいないのに「売れ、売れ」と号令をかけるのは乱暴な話ではないでしょうか。