「禅の教えによれば、このような態度、物腰で他人と接するのが正しい」という趣旨の本を、本屋の売れ筋の本を平積みしたコーナーで、あるいは新聞の広告欄で見ました。
「それは違うだろう」と思いました。
そのような固定観念、決まりごとの押し付けを拒否し、それらに縛られずに、自分なりの試行錯誤を繰り返して物事の本質にアプローチする、その過程こそが大切と理解していましたので、安易な正解を提示する姿勢は、禅の思想の対局に位置するとしか思えません。
思考すら他人に依存して、本当に生きていると言えるでしょうか。
残念ながら、私たちが生きているのは、そんなに甘い世界ではありません。