プロレスほど素敵な商売はないか

分裂劇はプロレスに欠かせない風景。そして、「理想のプロレス」を目指し、異なるものを排除した結果、団体の数は増え、各団体のリングでは、純粋培養された(戦いではなく)約束ごとを遵守したムーヴが繰り広げられることになりました。

業界の最大手とされる新日本プロレスも例外ではありません。私には、そのリングで戦うプロレスラーたちが、格闘もののテレビゲームのキャラクターにしか見えません。個性的なビジュアル、奇抜な名前をつけられた得意技。そして、お互いに相手の技を受けあっていることがバレバレの動きと試合展開。

その新日本プロレスと、今回の分裂劇の舞台となった全日本プロレスのオーナーは、ともに異業種から参入してきました。外にいる人に「手がけてみたい」と思わせる不思議な魅力がプロレスにはあるのでしょう。もちろん、経営者として成算があってのことでしょうが、それだけならプロレスよりも利益を見込めるものはあるはずですから。

どちらの動きも、人を惹きつけて放さないプロレスの怪しい魔力によって起きているように思えます。

プロレスほど素敵な商売はない。